毎日ソファベッドで寝るデメリットを解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
ソファベッドを毎晩寝るときに使用するのは避けてほしい
「ソファーベッドは使っては駄目ですか?」という質問をいただきます。回答はダメです。
私は整形外科の立場で言うとそもそもソファベッドはソファであって椅子であってベッドではありません。本来の使用目的は椅子だと思ってください。
2つのタイプのソファベッドいずれも毎日寝るのはおすすめできない
ソファベッドには2つのタイプがあります。
・背もたれを倒してリクライニングして平らにしてベッドとして使うもの。
・座面を引き出すことによって長くしてベッドとして使うもの。
リクライニング式のソファベッドで毎日寝る場合のデメリット
リクライニング式の問題点は平らにしたつもりでも、このつなぎ目が段差になってしまって寝たときに背中に違和感を感じる。もしくは段差で寝返りがしにくくなってしまうことです。
段差に何かのせればデメリットがなくなるのでは?
そのようにお話すると、その上に何かを敷けばいいのではないかという意見も出てきます。例えば薄めのマットレスや低反発ウレタンマットレスなどです。
しかし、土台がへこんでいれば何を乗せてもやはりそこに窪みは起こってしまう。つまり寝返りが悪くなるのでやめてください。
リクライニング用のソファーベットをご紹介します。こちらがそのベッドです。
普段は椅子として腰掛けて使用しています。これを夜になってベッドにしようと思うと寝てみてください。
このようにリクライニングを倒して平らにすることによってベッドになりますが、もしこのつなぎ目のところが背中の後ろに当たってしまうと寝返りがしにくくなります。
山田:寝返りをしてみてください。どうですか?
モデル:寝返りが体がハマったような感じでやりにくいです。
どうしても段差のところで感じてしまって、寝返りがしにくくなることがあります。
そこで、例えばこのような薄いマットを1枚敷く方も多いのですがこれでもお願いします。
山田:どうですか?
モデル:これも寝返りしにくいです。
山田:やはりその段差というのも感じるのではないでしょうか?
モデル:はい、体がハマったような感じがします。
このように段差の部分に何か上に引いたとしても同じようにそこはへこんでしまうことが多いんです。
またもう1つのポイントとしてはいつも座る場所ってだいたい皆さん決まってますよね。
よく使っている場所はお尻の重みで座っている時にへこんでしまうことが多いので、そういったところも轍のように体がはまりやすく、寝返りをしにくいということが起こります。
あくまでソファベッドは椅子です。毎日使うベッドとは違う臨時的なものだという認識を持ってください。
座面を引き出すソファベッドで毎日寝る場合のデメリット
次に、椅子の部分を手前に引き出して長くして、ベッドとして使うタイプの物ですがこれにも問題点があります。
どうしてもつなぎ目を引っ張り出すような形になるので、2ヵ所、3ヵ所と段差が起こってしまう。またどうしてもベッドではなく椅子なので幅が狭い。
人間は寝返りを打つためには最低限70㎝ぐらい、できれば余裕を持って90~95cmの幅が必要ですが、この幅はなかなかソファベットでは獲得しにくい大きさだと考えます。
ホテルでよく置いてあるような折りたたみ式、もしくはリクライニング式のソファベッドはあくまで臨時的に使うもの。追加で使うエキストラベッドです。
ソファベッドを毎晩使用する、寝る時に使用するベッドとしては十分の機能は備えておりませんのでご注意ください。
あくまでソファベッドは椅子。ベッドではない臨時的なものと考えてください。
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