椅子の上で胡坐(あぐら)をかくと体の6つにかかる悪さを解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は「椅子の上に胡坐(あぐら)をかく」これってNGですか?というお話をしていきたいと思います。
イスでも畳に座っていても同じことですが、胡坐(あぐら)の姿勢というのは6つの体の部位に関して負担を加えてしまうのでよくないんです。
胡坐(あぐら)をかいて負担のかかる体の部位
胡坐(あぐら)をかくと6つの体の部位に大きな負担を与えてしまいます。
下半身では腰・膝・足、上半身では目・首・背中の部分です。
これが長時間になればなるほど、元に戻すのが大変なぐらい痛みや不快感や苦しさを与えてしまうんですね。
足を下ろして、腰と背中をしっかりと背もたれにつけて座るといい姿勢でいられます。
肘置きがあればなお良いですが、胡坐をかいてしまうと最初は背もたれにつけて良い姿勢になっていたとしても、段々に背もたれから腰が離れて背中が丸くなってしまいます。
下半身にかかる負担
腰に悪い
前屈みになると腰の骨の間にある椎間板という部分に圧力がかかって痛みが出てきます。
もしその椎間版が後ろにはみ出しているヘルニアになっている方の場合、腰から足にかけて坐骨神経痛が起こる可能性もあります。
膝に悪い
胡坐をかくと両膝とも深く曲げている状態になり膝にかかる圧も高くなります。
特に内側の半月板という軟骨を強く挟み込んでしまうことによって、半月板の痛みやもしくは半月板に損傷を持っている人の場合は強い炎症を起こしかねません。
足に悪い
長い時間組んでいることによって圧迫をかけ続けます。
足首が長い時間同じ姿勢を矯正され、立って歩こうとするときに足首が固まってしまって歩けなくなってしまいます。
上半身にかかる負担
背中に悪い
前かがみになるほど背骨が固まってしまって硬くなってしまいます。
筋肉が緊張して血液循環が悪くなってしまい、背中の張りや肩こりが起こってきます。
首に悪い
最も重要なのは首です。
首は前屈みになることで、真っすぐな状態の時の4キロぐらいの頭の重さが、前に7センチをお辞儀をすることでなんと首にかかる負担は3~4倍に膨れ上がるんです。
7センチお辞儀したときの頭の重さはなんと20キロ。細い首にそれだけ大きな負担がかかっているわけです。
これによって首肩の痛みやこり、ひどい方は首の神経が圧迫されて手がしびれたり使いにくくなったりということも起こってしまう可能性があります。
目に悪い
前かがみの状態でスマホを見たりすると、目がスマホに近づき視力の調節が悪くなったり眼精疲労といった目の影響も出てしまいます。
体が固まってきたら体操しましょう
胡坐姿勢で長くいると体が固まってしまうので、立っていただいて体操しましょう。
腰に手を当ててお腹は引っ込めたまま、腰をグーっと前に出しながら上半身を後ろに反らすように体を伸ばします。
その時、息を止めずにふーっと息を吐きながら行ってください。
これによって先ほどまで俯いていた目線、首、背中、腰、膝、足、すべての体の部位が伸展といって伸びることができるわけです。
これは「これだけ体操」という東大の松平浩先生が考えている体操を一部ちょっとアレンジしたものです。
この伸ばす体操を1回やっていただくだけでもとても効果があります。
もちろん2~3回やっていただいても結構ですので、胡坐をかいて体が固まって辛くなってきたらやってみてください。
胡坐(あぐら)をかかないための予防対策
そもそもが胡坐をかいた姿勢が悪いわけですから、胡坐をかかないように予防するという観点も大事なわけです。
椅子に座った時に下ろしている足は血流が悪くなり段々だるくなってきます。
そうなると少しでもいいから足を上げたくなり、胡坐をかいてしまうわけです。
そんな時は、足元に足台を用意しましょう。
足台に少し乗っけるだけでも結構楽になります。
この時、腰が反らないようにしっかりと腰にクッションや腰枕を入れていただいて背中を安定させるとなお良いです。
もし足台がなければ漫画や雑誌などの厚めの本を何冊か重ねて、ガムテープなどで止めてその上に乗せても結構です。
両かかとが乗るぐらいの大きさのものでいいので、ちょっと足元に置くだけでもだいぶ違うと思います。
胡坐姿勢は思った以上に体に負担をかけてしまっています。
ちょっとした工夫で胡坐をかかずに楽に長い時間座れるという方法ですので是非やってみてください。
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