肋骨骨折には枕が有効?夜間痛には枕を整えることも重要なんです!
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回は「転んで肋骨あばらが痛い、もしかしたら肋骨骨折かな?そんな時は枕が有効です」というお話をしたいと思います。
皆さん肋骨骨折の経験はありますでしょうか。
例えばラグビーをやっていて試合中にぶつかって折れちゃった方、また自転車を漕いでいて転んで折れちゃった方など、実は整形外科には
肋骨骨折の患者様が頻繁にいらっしゃるんです。
肋骨骨折の原因
肋骨は片側に12本ずつあり、肺や心臓といった重要な臓器を保護しています。硬いガードをしてるっていうイメージです。
肋骨が折れてしまったら内臓にも影響があるかもしれないし、非常に肋骨の骨折も侮れない重症な病気になることもあるんです。
ではなぜ肋骨が折れてしまうかという原因については2つあります。
強い外力で肋骨が折れる場合
交通事故、転落、スポーツ
交通事故でシートベルトしているところに肋骨が当たって折れたり、自転車からの転落や高いところからの高所点落というのもあります。
また、ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツと言われる直接ガーンと体が当たるようなスポーツですね。
このような場合は強い外力ですので、肋骨が折れるだけではなく内臓にも影響することもあります。
軽い外力で肋骨が折れる場合
肺炎やアレルギーでの咳やくしゃみ、骨粗鬆症
肺炎やアレルギーを持ってる体質の方ですと、くしゃみや咳が続いて毎日繰り返しているだけでも実は肋骨は折れてしまいます。
あとは骨粗鬆症っていう病気です。
高齢者の方に多い骨が脆くなる病気ですが、骨粗鬆症があると軽微な軽い外傷でも折れてしまいます。
もしくは何もしなくても骨が折れてしまうということが起こります。
肋骨骨折で起こる症状
肋骨骨折でどんな症状が出るかというと、まず肋骨の折れてる場所を実際に押すと痛みます。
肋骨を順番に押していくと折れてる肋骨のところだけ痛みが出ます。局所の症状ですね。
それから深呼吸を大きくすると痛くなります。折れてる肋骨の部分がグラグラ揺れるので痛みが出ます。
そして、くしゃみと咳です。瞬間的に圧がかかるようなことをすると激痛が走ります。
一方で寝ている時に寝返りをすると、布団に折れてる肋骨部分が当たって痛みで目が覚めてしまうというようなことも起こります。
また、局所を見ると腫れていたり出血が出ていたり皮下出血が出てたりということもあります。
比較的分かりやすい症状が出るということを少し念頭に置いておいてください。
肋骨骨折の治療
肋骨が何本も折れていたり、折れ方がひどくて肺に刺さっていたり、出血で肺を圧迫してしまうというような重篤な肋骨骨折ではもちろん手術が必要です。
肋骨が1本か2本折れている程度の場合はバストバンドと言って固定するベルトをはめます。
これによって肋骨がグラグラしないので楽になるわけです。
当院では肋骨テーピングというのも行っています。このテーピングは折れている肋骨の側だけを固定します。
折れていない側の肺は圧迫しませんので、片方の肺で十分呼吸できるんです。
もちろん痛みがあれば鎮痛剤を処方することもあります。
枕を合わせて夜間痛を改善
そしてもう一つ重要なのが枕なんです。
肋骨骨折は結構夜中に痛くて寝れなくて辛いという方が多いです。
夜寝ている時はどんな体勢になってしまうかは自分ではコントロールができません。
不意に寝返り打ってしまって肋骨が痛くて目が覚めてしまうということが起こるんですね。
肋骨骨折の患者様からも、どうやって寝たらいいんですか?という質問をよく受けます。
よくないのは凹凸や柔らかい枕で寝返りが打ちにくいことです。
体がグラついて寝返りをしていたら、痛い側の肋骨が下になった時により強い痛みを誘発してしまいます。
適切に高さの枕を整えると、上を向いても横を向いても肋骨を圧迫しないようになり寝てる間に肋骨が痛むということが軽くなります。
実際に患者様に玄関マットとタオルケットで作る手作り枕で高さを適切に合わせると、その日の夜から痛みが軽減して寝れることができるんですね。
枕の高さがポイントなんです。
枕と聞くとどうしても肩こりや不眠というイメージを持っているかもしれませんが、実は肋骨骨折にも適切な高さの枕を整えることは重要なんだということをぜひ覚えておいてください。
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