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MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織って誰?

プロフィールをご紹介

山田朱織が診察をしている様子

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。

最初の診察で頚椎椎間板ヘルニアの疑いが出たスタッフMさん。

より詳しく調べるため前回はMRIの撮影をしました。

MRI撮影の様子はこちら

16号整形外科のMRI検査は普通とちょっと違う?検査を受けてみました!

今回はMRI撮影後の診察の様子をお届けします。

はたして実際にヘルニアはあったのでしょうか。

目次



MRI画像診断をします

山田:今日はMRIを撮っていただいたんですけれども、先週来ていただいた時からご症状ではどうですか?

患者M:やっぱり朝の肩甲骨の痛みとかしびれはまだ続いてます

山田:そうですか、わかりました。今日MRIを撮影していた間は大丈夫でしたか?お辛くなかったですか?

患者M:最初は枕を合わせて撮ってもらったので楽だったんですけど、その後枕なしで撮ってもらった時はちょっと姿勢が辛かったです。

山田:ちょっと姿勢が悪くなりますのでね。その枕がある時とない時の状態のMRIの結果も今日はご説明したいと思います。

レントゲンを撮影した時は骨が体を動かした時にどんな状態になるか、ずれるのかどうか、どこが悪いのか説明しました。

今回のMRIというのは、骨の椎間板という軟骨や神経、こういったものが全部映ってくる。要は硬い骨以外の柔らかい組織も映ってくるというのがMRIの特徴になります。

整形外科枕ありの状態のMRI画像の解説

まずこちらが横から見たところです。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

山田:顎の輪郭、喉、白いのは骨です。

そして黒いのが椎間板ですね。でも椎間板の中には白いところもあります。

その後ろには脳から繋がる神経が見えています。

この神経と椎間板や骨との間に一層白く見えるところがありますが、これは髄液という水が流れている空間です。首の骨いくつありますか?

患者M:7つですね。

山田:そうですね。7つあってその後ろに脳から繋がる神経があって、神経と骨や椎間板との間に一層隙間がある。この隙間が髄液という神経の入っている水が流れている空間です。

で、黒いところが椎間板なんですが、まず2番と3番ですがレントゲンと時にもお話ししましたが骨がくっついて癒合椎いうのになっています。

骨がほぼほぼくっついているので椎間板がほんのちょっとしかないわけです。

他の場所はしっかりと椎間板がありますがでも黒いのがあります。

白いのが本来の正常な綺麗な状態の椎間板なんですが、黒くなっているのは椎間板の水分がなくなっている状態なんですね。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

椎間板の水分がなくなってしまって質が悪くなる

椎間板の水分がなくなってしまって質が悪くなるというのは、35歳という年齢では早いかなという変化ですね。

水分が減って弾力性が乏しくなってしまうので、椎間板が潰れてきます。

潰れたものはどこかにはみ出します。それが喉側にはみ出してればゆとりがあるんだけど、後ろにはみ出しちゃうとすぐ神経に当たってしまうんです。

なのでちょっと大小の違いはありますが4箇所も出っ張って、神経のギリギリのところにきてるわけですね。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断


じゃあ、どんな風に悪いのかをもっと細かく見たいので首を上から覗くように見てみます

上の方の脳に近い方で見ると、神経の周りに白い空間がたくさんあってゆとりがあります

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

椎間板の脇にぐるっと囲みがあって、神経は空間の中に閉じ込められているような状態。

この枠組を脊柱管と言って神経の管と言います。

これはとてもいい状態

では段々下に降りてきます。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

もうここですでに黒いわけですので、黒い椎間板が少し後ろにはみ出してきて神経に食い込むほどではないけれども、空間が少し狭くなっています

もう1つ下に行きます。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

椎間板が完全に神経に当たっています

今度は4番目と5番目の間、ここでは出っ張ってしたしまった椎間板が完全に神経に当たっていますよね。

見た感じちょっと痛そうじゃないですか?

患者M:はい・・・。

山田:このように出っ張ってしまって神経に食い込んできてるところの黒く出っ張った部分を椎間板ヘルニアと言います。

明らかに4番目と5番目はもう食い込みがあるということですね。

では次に5番目と6番目です。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

今度は真ん中が食い込むんじゃなくて、右から左までベチーっという感じで出てきますね。

少し神経に当たってきてます。

ただし、まだ後ろに白いところがあるので逃げようと思えば後ろに逃げる空間がないわけではないです。

ぺちゃんこに潰されてるよりはまだいいかな、というそんな感じです。

では最後のところです。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

これもボコっと出てるんですが実はここが問題です。

出っ張ったことによって後ろの隙間もあんまりないし、出てるものもどちらかというと右側に大きく出ている

左の方は比較的空間が広いです。

右側の肩甲骨から腕にかけて痛みやしびれがでる原因

なので、これは枕をちゃんと適切に合わせている状態で撮影をしておりますので、まだ潰れるまでには至らないけれども、これでもっと首の姿勢が悪くなると右に出てる椎間板がより神経に当たってしまい、右側の肩甲骨から腕にかけて痛みやしびれが出てくるわけです

それがいつも感じてらっしゃるご症状なわけですね。

症状としては違和感ぐらいから、痛い、しびれる、様々な症状がありますが、それを少しでも軽くしていく工夫が姿勢として大事です。

出っ張ってしまった椎間板ヘルニアですが、神経の空間がですね8.7mmぐらいですかね。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

本当は正常な人は12mmないといけない空間が今大体8.7mmぐらいになっているという状況です。

神経の管が少し狭いということです。

頚椎椎間板ヘルニアが確定診断

そして右がより大きく圧迫されているっていうことが分かりました。

正式な名前は頚椎椎間板ヘルニアと言います。

これが枕を入れてる状態でまだいい状態なんですね。

枕がないとどうなるか見てください。

整形外科枕なしの状態はより神経を圧迫する

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

顎が上がってしまって喉が圧迫されて首が曲がってきます。

先ほどの適切な枕の高さを使ってすーっと神経が伸びているのと比べると、くの字に首が曲がっているのがよくわかりますね。

極端な折れ方というのがあんまり良くないわけです。

そして、3番・4番辺りから椎間板がはみ出してます。

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

4箇所の椎間板が出っ張ってしまっているという状況です。

つまり枕がなくて頭が下がる、顎が上がる、首がひねられる、この状況においてはより神経が圧迫されやすい悪い

状況です。

もう後ろも完全にくっついちゃってるような状況ですので、首の神経の隙間も狭くなってまいります

MRI検査結果説明|頸椎椎間板ヘルニアかどうか結果を診断

首の姿勢が悪いとそれだけ神経を圧迫する

さっき8.7mmあった空間ですけれども、ここまで来るともう7.8mmしかなくなってしまうので首の姿勢が悪いとそれだけ神経を圧迫するということが分かりました。

合わない枕を使って枕がなくなってしまって頭が落っこちて寝てしまったら、こういう格好になってしまうってことを念頭に覚えといてください。

患者M:4つ椎間板ヘルニアがあるのがわかりましたが、4つもあるというのは他の患者様でもよくあるんですか?

山田:もちろんあります。1箇所あってもヘルニアは困るのに4箇所も出てるっていうのは決していい状況ではないです。

あと年齢的にも今お若いわけなので、これから人生今の状態がより引っ張っていってヘルニアが大きくならないように注意しなければいけないけません。

そのために重要なのは、実はこのなくなった水分を戻すことはできないので姿勢を良くすることしかないんです。起きてる時の姿勢は自分で意識しますよね。

でも、寝る時はやっぱり枕が大事なので、毎晩自分に合った枕で寝るということをしっかりと注意してください。

患者M:分かりました。癒合してるのは関係ないですか?

山田:そこは関係ないです。癒合しているところの周りは広いので全然心配しなくて大丈夫です。


これからの頚椎椎間板ヘルニアの治療

山田:寝る時の枕と、あと日中の姿勢の管理という意味では是非リハビリテーションをやってください。

リハビリの先生が適切な姿勢を教えます。

やっちゃいけない姿勢、どんな不良姿勢になってるか日常でのチェック、こういったことも含めていい姿勢をしっかり守っていって、3年後も10年後もこれ以上悪くなっていかなければ大丈夫です。

とても怖い症状としては指の感覚がなくなってくるとか、物が持てなくなるとかそういったことが5、6、7という神経では起こり得るんですね。

そこをちょっとご自分でも手の症状・障害がひどくなってきたら、また首の状態をちゃんと調べて経過を見ていこうということはお忘れなくお願いします。

患者M:わかりました。朝出てるということはちょっと枕の調節も必要ですか?

ヘルニアがある限り枕の高さの微調節が大事

山田:はい、そうですね、是非枕も本当にヘルニアがある限り微調節が大事になってくるので、朝目が覚めた時にすでに肩甲骨あたりがしびれてるとか、手がしびれてるってことがあれば再調整してみてください。

これは枕のみならず下の土台のお布団やベッドも含めて見直してみて、朝1番いい状態に改善できるように持っていくことが必要です。

決してがっかりせずに、前向きにしっかり治療していきましょう。

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