ベッドのマットレスの耐久性はどれくらい?買い替えのタイミングは?
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
マットレスの耐久性は何年くらい?
今回はベッドのマットレスの耐久性についてお話をしたいと思います。
皆さんは日本製のベッドマットレス、海外製のベッドマットレス、どのようなものをお使いでしょうか。
日本製のマットレス、ある程度メーカーのしっかりしたものであれば30年くらいは使えると言われています。
それは何のことかというとベッドには大きく分けて二つの層があります。
この表層部分のいわゆるソフト層という部分と体に直接当たる部分と、中にこのようにバネの入ったコイルこのバネ部分と分けて考えなければいけないんです。
私がいま申し上げた30年間持ちますよというのはこのバネのことです。
しっかりした国産のベッドのコイルであれば実は30年間、破損したり劣化したりすることはないんです。
ではマットレスが30年本当に持つかというとそうではありません。その理由はこの表層のソフト層の問題です。
表層部分のソフト層が問題になる
寝たときの状態を見ながらご説明していきたいと思います。
山田:いつもどんなマットレスを使っていますか?何年くらい使っていますか?
モデル:父からもらったものなんですけど私が使っていたのを合わせると30年くらいなんですかね。
山田:30年間お父様から受け継いだベッドマットレスをずっと使ってるっていうことですね。
モデル:はい。そうなんです。
山田:それはベッドの向きを変えたり、裏返しとかはしょっちゅうやっていますか?
モデル:たまにやってます。
山田:1年に1回とかですかね 。
モデル:そうですね。
向きを変えたりするぐらいでは30年間は持たない
1年に1回、ベッドのマットレスの向きを変えたりするぐらいでは実は30年間使っているマットレス、これではもうお体に合わないと考えてください。
実際に寝てみましょう。
何が問題かというと皆さん同じだと思うんですけれども、ベッドのマットレスの中で概ねご自分が寝る位置というのは決まっていると思います。
背中、腰、足、どうしても体の重い部分が乗っている場所は常に一緒です。
この重さによってヘタるのもありますし、実は体から出る汗や水分、いろいろな体の老廃物、こういった水分系によっても素材そのものがいつもそれを吸収しているので素材の劣化が起こるんです。
つまり、30年間もしこの中のコイル部分がヘタらないとしても、表層のソフト層が汗を吸って傷んでいくことによって決して30年間はもたないんです。
ソフト層の表面に凹凸ができてしまうと、その部分が轍にはまったように寝返りがしにくくなってしまうんですね。
山田:ですのでさすがに30年はもたないと思ってください。このソフト層のヘタリについて考えるときにちょっとお布団でイメージしていただきたいんですが、布団の打ち直しという言葉を聞いたことはありますか?
お布団には打ち直しというものがある
モデル:あります。
山田:どんなイメージを持っていますか?
モデル:打ち直しっていうくらいなんで、布団を打って叩いて硬いところをほぐすような感じですかね。
山田:そうですよね。打ち直しっていうとどうしても打って直すというイメージを持つかもしれないんですが、実際に打ち直しとは打って直すことではなく、潰れてしまったお布団の表面に縦横、縦横無尽に新しい綿を足していくことなんです。
ただ単に打つのではなく足りなくなった部分を足してあげる。それによって元の状態を修復するというものなんですね。
もし、これがこのベッドのソフト層についてもできればお布団のようにできれば、ソフト層だけを交換することによってベッドマットレスの中のコイルは変えなくてもいいというふうに私は発想しましてこのオーダーメイドベッドをつくりました。
マットレス上層部のパッド生地(ソフト層)が着脱可能な構造になっているオーダーメイドベッド・マットレスのMAKURAinBEDについてはこちらでご紹介しております。
マットレスがソフト層が傷んだら買い替え
p>でも、実際には世の中売ってるベッドはこのソフト層と中のコイルを引き離すことはできない一体化して売っているために、ソフト層が傷んでしまったらもうベッド全体を買い換えなければいけなくなっているんです。実際にそのようなベッドの構造ということを踏まえた上で、メーカーに何社か私はこの耐久性について尋ねてみました。
一般的な耐久性は10~15年程度
多くの会社が答えた平均的な回答で言えば、おおよそシングルベッドで10万円以上するしっかりとしたベッドマットレスの場合、だいたい12年から13年ぐらいが一つの耐久性の目安になるのではないかということです。
もちろんその方の使い方、体重、汗のかき方、いろんなことで異なってきますので微妙な年数の違いはありますが、ここで言いたいことは例えば30万円出して高いベッドを買ったとしても、20年30年持つとは考えないでくださいという危険信号です。
山田:お分かりいただけましたか?
モデル:はい。
山田:ですので、今使っている30年のベッド、これはちょっと危ないです。
モデル:そうですね。よくわかりました。ベッドの買い替えも検討してみます。
山田:ぜひ検討してください。
マットレス選びは、実際に寝ることが重要
最後に、私からのマットレスの選び方についてワンポイントアドバイスをしたいと思います。
もしこれから買い替えを考えていらっしゃるのであればぜひ注意していただきたいこと。
それはマットレスを買うときには必ず店頭に足を運んで、ご自分が選ぼうと思っているマットに実際に寝てみてください。
山田:いつもネットや通販などで買い物をしているかと思うんですが、ベッドもその様な買い方をしてしまう事ってないですか?
モデル:最近はこのご時世もありネットで買うことが多いです。
ベッドマットレスに関しては少なくとも実際に体感してベッドの上で寝返りを打ったり、上向き、横向きの姿勢で体に合うかどうか、自分の体に合うかどうかを確認していただきたいので、ネットでの評価やネットでの商品広告、これに惑わされることなく自分の体に合ったマットレスを選んでいただけるようにお願いします。ぜひやってみてください。
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