腰痛の原因と枕治療で症状改善した独自研究の結果を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
腰痛は、日本の国民病です
今回は日本の国民病「腰痛」の原因を探り、そしてこの腰痛を正しい睡眠姿勢=枕を使って整えて改善しようというお話です。
山田:腰痛を体験したことはありますか?
モデル:もちろんです。僕も何度か腰痛は経験しましたが、父も母も腰痛持ちです。職場でも何人か腰痛持ちがいます。
山田:本人もご家族もそして職場の方もみんな腰痛ということですかね。
モデル:はい、そうです。
腰痛を経験したことがある日本人はなんと83%
実はこの腰痛、腰痛を体験したことがあるという方は日本人なんと83%もいるんです。大半の人が人生の中で一度は腰痛を体験したことがあると言っても過言ではないと思います。
これは日本に限ったことではないんです。
世界でも生活に支障を与える症状の第1位は腰痛
世界でもランセットという世界的に有名な雑誌に2012年に発表された論文によれば、WHO世界保健機構を含む主要7カ国で腰痛について研究をしたところ、生活に支障を与える症状の第1位はなんと腰痛だったんです。
これがランセットという世界的に権威のあるジャーナルに論文投稿されたので世界の多くの人が驚いたという事実があります。
これだけ腰痛が人々を困らせているのに腰痛の画期的な治療法がないのはなぜ?
山田:多くの患者さんや一般の方々がこれだけ腰痛に悩みながらも、なぜ腰痛が良くならないかわかりますか?
モデル:分かりません。こんなに医学が進歩していて高度な検査や治療があるのになぜですか?
山田:実はここに回答があります。
腰痛の原因の85%は何が病気の原因なのかわからない
ご覧ください。この腰痛の原因の中で何と85%は「非特異的腰痛」と言って原因を確定できない、何が病気の原因なのかをはっきりすることが突き止められない腰痛なんです。
腰への物理的な負担、メカニカルな負担はもちろんのこと、それだけではなく心理社会的要因というのが大きく関わってきます。
みなさんあまり聞き慣れない言葉かもしれないんですが、心理社会的要因というのは仕事のストレス、人間関係のストレス、家庭でもそれから会社でも。
また、痛みの恐怖に対する精神的なストレス。つまり長い間腰痛を患っていたり、繰り返し腰痛を起こしているとだんだん腰痛が起こるのではないかという恐怖感が脳に植え付けられてきます。
次の腰痛が起こってしまったらどうしよう、また会社を休むのかな、あの痛い思いはしたくないという不安がどんどん積もってしまう精神的ストレスです。
一方、たった15%これが特異的腰痛と言って原因がはっきりしているもの。
ヘルニアや狭窄症など腰痛の原因が明らかなものは15%しかない
つまり例えば腰椎椎間板ヘルニア。腰の中の椎間板という軟骨が飛び出して神経に当たってしまう。これ原因が明らかですよね。
また、腰部脊柱管狭窄症。腰の中の大事な神経が入っている骨の管、脊柱管と言いますがこれが物理的にどんどん狭くなって神経を締め付けてしまう腰部脊柱管狭窄症。
そして骨粗鬆症。皆さんご存知ですか?
閉経をした女性、60歳を過ぎた男性、皆さんだんだんだんだん骨が薄くなって骨がもろくなってついには骨折してしまう圧迫骨折。
とても腰が痛くなります。でも、中にはまったく気づかないうちに折れている場合もある。
このような様々な腰の病気でも、これは原因がはっきりしているわけですから特異的腰痛と言えるわけです。
繰り返しますが原因のわからない非特異的腰痛85%、一方で原因がはっきり分かっている特異的腰痛はたったの15%なんですね。
腰痛の原因がわからないので、適切で有効な治療を見つけられない
ですからなかなか原因が分からない。よって適切なもっとも有効な治療を見つけられない。患者様に私たち医療者が提供できなかったり、患者さんは自身もいろいろ自分で探すんだけれどもピタッと症状の良くなるような治療に出会うことができない。
これが今の腰痛の現状なんです。
モデル:原因がわかるものが僅かでわからないもののほうが圧倒的に多いんですね。原因が分からなければ治療もなかなか進みませんね。
山田:その通りですね。まず原因がわかってそれから治療を組み立てていくわけですから、原因がわからないということは治療の第一歩がなかなか進まない。これは問題となります。
腰痛に対しての枕の治療効果について独自の研究を行いました
そこで私たちは共同研究といって、東大病院の松平浩教授、倉敷成人病センターの戸田先生と一緒に3者でこの腰痛を含めた身体化症状と枕の治療効果について研究を行いました。
どういった研究かというと当院、倉敷成人病センターの患者様、84名に対してこのような今まで何の基準もなく選んでいた患者様の枕。
これを中止していただいてこのように高さを一人一人の体格に合わせた手作り枕に交換していただきました。
これを使うこと2週間また3ヶ月、短期的中期的に経過を観察しました。
そのような患者様はうつ症状、不眠、頭痛、めまい、耳鳴り、息苦しさ、手のしびれ、筋肉痛や胃腸症状、そして腰痛、背中の張り、様々な身体化症状、ともすると自律神経失調症とも言えるんですがこれらの症状をさまざまにいろいろなレベル程度、強くも弱くもありますが持っている方々でした。
腰痛を含む症状が枕によって改善した
この枕を使っていただいて経過を観察してみると、なんと胃腸症状除く8つの症状がすべて有意に改善したんです。
この腰痛を枕以外の例えばベッドとかマットレスとか布団、こういった寝具には一切手を触れず他の条件を変えずに枕のみを適切なものにすることで睡眠を観察したところ、腰痛を含むさまざまな身体化症状が改善したわけです。
腰痛の改善についてこちらのグラフをご覧ください。
この改善のメカニズムは確かにまだ全てがわかったわけではありません。
枕を整えて寝返りがしやすくなって腰痛が軽くなったのか、枕を適切に使うことで睡眠がグーンと深くなってよく眠れる、それよって痛みに対する感じ方が弱まり強い痛みを感じなくなったのかそのメカニズムはまだわかりません。
でも、少なくとも枕というこのアイテム、これをたった一つ条件を変えることで腰痛を含めた自律神経症状の様々な症状が改善するとしたら、皆さんもぜひこれを試す価値はあるのではないでしょうか。
皆さん、もう一度この症状チェックしてみてください。
ここに書いてある症状一つでも二つでも、もしくは全て当てはまるとしてもぜひ今晩から枕を高さを整えるということをやっていただいて、よい睡眠姿勢で眠って頂ければと思います。
モデル:僕も今晩から手作り枕やってみます。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
適切な枕を使うことは腰痛を含む様々な症状改善に有効です。
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