「3分医療」の限界を超えて。患者一人ひとりの生活背景から原因を突き止める根本治療とは
3分医療の限界を超えて。患者一人ひとりの生活背景から原因を突き止める根本治療とは
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織が解説します。山田朱織枕研究所の整形外科医山田朱織が本音をお話ししていきたいと思います。
目次
1. 本音をお話しするに至った背景
なぜ整形外科医が本音をお話しするのか。どうしてそんな心境になったのかというには少し背景があります。私は整形外科医になって30数年間経ちました。
大学の医学部を出た後にすぐに整形外科の大学病院の医局というのに入りまして一般的な研修を5年間ぐらい行い、その後整形外科の父である開業院のクリニックを少し手伝いながら大学院に行ったり、また様々な大きな病院や地方に行ったりして研修を積み全体的な整形外科の患者様の色々な病気というのを治せるようになってきました。
そして2007年に自分のクリニックを神奈川県相模原市に開業し、名前は国道16号線沿いにあるので16号整形科という名称にして、ここでもうすでに16から17年治療を行ってまいりました。入院施設は持っておりませんので外来での治療となります。治療を施すために毎日外来の患者様に向き合っていくわけですが、それは決して短い間のコミュニケーション診療のみではありません。
2. 患者様の一人一人にドラマがある
その短い接触の中には患者様の背景も含めた様々なドラマがあって、私自身もとても悲しい気持ちになったり、嬉しくなったり、楽しくなったり、様々な感情を持って診療を長い間を行ってきたのです。実際に診療の中で行われているエピソードを是非皆様にも少しお裾分けしたいと考えたのです。
なぜならば、もしかするとそれを聞いて共感していただいたり、私もそういう治療を受けて症状を改善していきたいと思っていただけるかもしれない。もしかすると症状は改善しないけれども、そうやって医療の中で経過を見ていただくことで安心して自分の状態を知ることができる。こういった状況になれれば少しでも役に立てるかと思って本音をつぶやくという経緯に至りました。
3. 3分医療で治療を完了するのは難しい
3分医療について何をつぶやくかというと、とてもとても3分では1人の患者様に相対するには時間が足りないと思うことです。日本の医療は保険制度で日本の全ての国民が安全な医療を受けられる様々な仕組みと工夫がなされています。
総合病院、市中病院、クリニック、大小様々な医療期間が患者様の症状の重さに合わせて役割分担をしながら患者様を診ていくわけです。私のような開業医で第一線で患者様と向き合っている医療者にとって、3分で1人の患者様を診察して診断して治療していくということはとてもとても時間がないことです。
例えば1時間あたり20人の患者様を診るとすれば、当然割り算すると1人3分しかありません。でも3分ではお顔を見て、パッと状況を判断して、どういうお薬を次に出しますねという説明をして、次の予約を取って終わり。それで3分ではないでしょうか。私が実際に行いたい医療というのはそういうものではありません。
4. 患者様には聞きたいことがたくさんある
腰痛の患者様が初めて当院に来た時のことを想定して考えてみましょう。60代の男性の方でお仕事は運送業です。20から30代からこの仕事をしていて腰痛があります。腰痛がつらいときは湿布を貼ったり、温めたり、マッサージに行ったりしてしのいできました。
でも、とうとう60代になると腰痛が悪化して階段が登れなくなってきました。実際にビルや団地などの階段のあるところに荷物を運ぶことがとても困難になってきました。同じ会社のスタッフは皆さん同じ年代の人で自分と同様に腰痛があるので、仕事を変わってもらったり自分が腰が痛いからと言って役割を部分負担していただくこともできないということで、いよいよ整形外科で精密検査をしたいということで来院しました。
じゃあこの患者様をベッドに寝ていただいて、どこが痛いかを触って、レントゲン撮って、お薬を出して終わり。これで何が治るでしょうか。
私はこの患者様にたくさん聞きたいことがあります。
医師が確認したい生活背景
- 家族がいるのか。結婚しているのか。
- 子供は小さいのか大きいのか。ペットを飼っているのか。
- お家は一軒屋なのか、団地で外階段があるのか。
- 家の中に階段はあるか。手すりがついているか。
- どんなものを食べているか。1人暮らしでコンビニのお弁当か。
- 奥さんがいて栄養管理してくれているのか。
5. 様々な生活の状況を聞かないと治療になりません
また家の中は洋式なのか和式なのか、ベッドに寝ているのか、テーブルと椅子で食事を取っているのか、和式の茶台に座り込んでご飯を食べいるのか、トイレは洋式なのか和式なのか。様々な生活の背景を聞きたくなります。
と、いうよりは聞かないと治療になりません。
痛みの具合についても、刺すような痛みなのか、実際に寝てる時だけ痛いのか、どんな時間帯に痛いのか、鈍痛なのか、静かにしてる時も痛いのか、動いてる時だけ痛いのか。痛みの強さや時間帯など細かく聞かないと正確には把握できません。
さらに実際にベッドに寝ていただいて、痛い場所を触ったり、腰の痛みがひどくなれば足の筋力が落ちたり感覚も鈍くなるので、そういった様々な症状を客観的に判断していきます。この時見た症状と、聞いたお話の内容が一致しないこともあります。そんな時に患者様が決して嘘を言うわけではないので、聞き漏らしてることがあると考えるんです。
私が重要だと思って聞いた内容からはとてもキャッチできなかった、まだまだ腰を悪くしてる原因があると思うわけです。それを全てひっくるめて薬や注射やコルセットで治療できるでしょうか。決して無理です。仮にお薬を出してテーピングをして1週間経って来てみると症状が緩和してるかもしれません。でもそれしかしなかった方はあっという間に2から3週間したり、2から3ヶ月するとまた同じ痛みでぶり返してしまって来院されるはずです。
6. 私たちがやりたいのは根本的に治療をして根本的に症状を緩和すること
私たちがやりたいのは根本的に治療をして根本的に症状を緩和すること。もしくはゼロにすること。
その方がこれからの生活の中で同じ仕事をしていても、きちっと腰痛の管理ができるように予防をしてあげること。そのためにはしっかりと日常生活の指導をしたり、予防するための知識を身につけていただくことも重要なんです。それらなくして薬や注射の治療だけでは目の前の患者様の治療は決して完了しないということです。
長々とお話ししてまいりましたが、そもそも3分医療では本気で患者様を治すことは難しいということを、私自身が改めてもう1度言葉にすることでしっかり認識しました。そして、そうつぶやいていても愚痴ばっかり言っていても仕方ないので、そのためにはどうするか、実際どうしているか、こんなことをまた次の機会にお話ししたいと思います。
本コラムの内容は動画でもお話ししています
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「「3分医療」の壁を壊す。スタッフ20名が連携してあなたの痛みの原因をチームで解く理由」
「3分医療では私の目指す医療は難しい」と、
チームワークで解決
呟いてばかりいても仕方ないわけで、それに対する対処療法や
対応策を考えていかなきゃいけないわけです。
そこで今回のテーマの役割分担とチームワーク
というのが1つの解決策です。
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