何もないところでつまずく(つまづく)原因は首の神経にあった|整形外科医が仕組みと枕の3大条件を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
今回はつまずき(つまづき)と枕の意外な関係と対策についてお話したいと思います。
道端の石につまずいたり、絨毯のよれにつまずくのは原因がはっきりしているので仕方ない面もあります。しかし、何もないのにつまずく・つまづくというのは、実は身体のどこかに問題があるサインかもしれないのです。
目次
【この記事のポイント】
- 何もないところでつまずく(つまづく)のは、首の神経の圧迫が原因の一つ
- 脳から足先まで繋がる神経は、首の姿勢が悪いと機能が低下する
- 6〜7時間の睡眠中の首の姿勢が、翌日の足の動きに影響する
- 枕の「3大条件」(高さ・硬さ・形)を整えることで改善が期待できる
- ただし中等症・重症の場合は医療的な治療が必要な場合もある
つまづきの患者様は後を絶たない
10年ぐらい前にビートたけしさんの「家庭の医学」という番組に出演しました。
この時、私たちの枕が取り上げられてつまずき(つまづき)と枕の関係についてお話をさせていただきました。
番組の反響で多くの患者様が当院にいらっしゃったんですが、10年経った今でも全く途絶えずに「最近つまづいて困っています」という相談を受けます。
なので今も昔もつまづきに悩む方は絶えずいらっしゃるのです。
加齢によりつまづきが多くなる?
つまづきは年齢と共に体の筋力が衰えて起こるんじゃないかと言われています。
でもそれだけが原因ではなくて、首とつまずきが関連しているという研究結果が出たんです。
そのことから首の姿勢を良くする枕がどのように活躍できるかということで、テレビ出演のお話をいただいたというものです。
首の神経とつまづきとの関係

首と遠く離れた足で起こるつまづきがなぜ関係しているかというと、それには解剖学的な理由があるんです。
首には7つの骨(頸椎)があります。7つの骨の後ろには大事な神経が通っています。
その神経は脳からきて首を通り、胸・腰まできてそこから坐骨神経となり足先まで伸びています。
足の動きや感覚を司り、地面の感覚を感じ取って「障害物があるから避けよう」「足を少し持ち上げよう」などの指令をコントロールしているのが、この首からきている神経です。
首の中が年齢変形により骨に棘(とげ)ができたり、椎間板が潰れて不安定になったりすると、この神経に悪い刺激が加わります。
年齢変形がなくて椎間板が傷むだけでも、骨や椎間板の障害が神経に影響を与えます。
つまりは首の状態・姿勢が悪くなると、足まで繋がっている神経にも影響し、何もないところでつまずきやすくなるということです。
あなたの体格に合った枕の高さを
枕診断士が5mm単位で計測します
首の神経への圧迫を防ぐには、睡眠中の姿勢が鍵。当研究所では専門の枕診断士が一人ひとりの体格を正確に計測し、ジャストフィットする高さをご提案します。
寝ているときの首の姿勢がつまづきに影響する

立っているときの姿勢は背骨がS字カーブを描いています。
寝ているときはそのカーブが少し緩くなりますが、全くの平らではありません。
枕なしだと頭が下がって首の姿勢が悪くなり、結果として足まで繋がる神経に影響します。
そこで枕を適切に合わせて首の姿勢を良くすれば神経の状態も良くなり、足先の症状が変わってくるのです。
つまずきが起こっているとすれば、6〜7時間という長い睡眠時間を悪い姿勢で過ごしているのかもしれません。枕を適切な首の角度になるように整えて寝ることで、前日の疲労が取れ足の神経も回復してつまづかないようにできる——というメカニズムです。

ただしここで問題は程度の話です。つまずきが起こるというのは神経の障害としては悪い状態になっていることが多いんですね。
症状的に言うと軽い症状から中等症・重症までいろいろありますが、中等症や重症になってくると今から枕を変えても良くならないケースもあります。
日々の生活のインフラとして姿勢を整えてやってみることはとても重要ですが、それだけで症状が改善しなかったら適切な治療が必要になります。
枕の3大条件を満たした枕でつまずき予防

適切な枕はどういったものか、改めて枕の3大条件を確認しましょう。
枕の3大条件
- 体にあった適切な高さ……身長・体型・肩幅によって異なる。5mm単位の調整が理想
- 適度な硬さ……柔らかすぎると首がグラグラ揺れ、神経への刺激が増える
- 寝返りの打ちやすい平らな形……凹凸があると寝返りに筋力が必要になり、睡眠の質が下がる
この3つ条件をすべて兼ね備えた枕を使うことが大事です。
当研究所の整形外科枕はこの条件を満たした枕です。一人一人の体格に合わせてご計測をさせていただいております。
また計測が難しい方には玄関マットを使って作る手作り枕もよろしいと思います。
つまづきでお悩みの方、まずは姿勢のインフラとなる枕から試してみてください。
具体的な解決方法(シャキッと3秒姿勢など)は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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「つまずき・転倒の原因と解決方法|BSテレビで改善実証」
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よくある質問(FAQ)
Q. 「つまずき」と「つまづき」どちらが正しい表記ですか?
文部科学省の現代仮名遣いでは「つまずく」が正式表記です。「つまづく」は古い仮名遣いで、現代語としては「つまずく」が標準とされています。ただし日常的にはどちらも使われており、意味は同じです。
Q. 何もないところでよくつまずく(つまづく)のはなぜですか?
原因はいくつか考えられます。①首の神経の圧迫(頸椎症・椎間板ヘルニアなど)による足の神経機能の低下、②加齢による筋力・バランス能力の低下(ロコモティブシンドローム)、③薬の副作用(睡眠薬・降圧剤など)が主な原因です。繰り返し起こる場合は整形外科への受診をおすすめします。
Q. 枕を変えるとつまずきは改善しますか?
症状が軽症の場合、適切な高さ・硬さ・形状の枕に変えることで首の神経への圧迫が減り、つまずきが改善するケースがあります。ただし中等症・重症の神経障害がある場合は、枕の調節だけでは改善しないこともあります。症状が気になる方はまず整形外科で診断を受けることをお勧めします。
Q. 若い人がよくつまずくのも首が原因ですか?
若い方の場合、スマートフォンの長時間使用による「スマホ首(ストレートネック)」で首の姿勢が悪化し、神経への負担が増えているケースが増えています。加齢だけが原因ではなく、姿勢不良による神経への影響は年齢問わず起こりえます。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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