整形外科のリハビリテーションで行う運動療法とは？｜4つの運動療法を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織（やまだしゅおり）が解説します。
前回、整形外科のリハビリテーションで行う日常生活の指導とは？｜目的と2つの療法を解説をお話ししました。
今回は整形外科のリハビリテーションの運動療法について詳しくお話したいと思います。
運動療法、リハビリテーションと聞くと整形外科というイメージが湧くかもしれませんが、実は整形外科だけで行っているわけではないんですね。
何科で運動療法が行われているか
脳外科・脳神経内科
脳の障害で例えば脳梗塞や脳血管障害、脳腫瘍色んな脳の病気がありますね。
こういった脳の病気になると脳だけではなく、そこからの脊髄や神経に行く様々な神経機能が悪くなって体が思うように動かせなかったり、
移動ができなかったり運動ができなかったりといった障害が起きます。
そのため、脳外科や脳神経内科でも運動療法は行われているんです。
整形外科
整形外科の場合は骨や関節の問題。
骨折をした後や関節が機能が悪くなった後、またスポーツ障害で靭帯を切ったなど。
こういったものは整形外科の中で運動療法を行います。
内科
あまりイメージが湧かないかもしれませんが、例えば心臓病ですね。
心臓に負荷をかけると苦しくなったりしますが、ではずっと安静にした方がいいかというとそうではなくて、適度な運動が良好な結果をもたらすこともあるのです。
そして糖尿病ですね。肥満を伴う時と伴わない時がありますが運動療法はとても大事です。
また呼吸器疾患です。肺の機能が十分でない場合に適切な運動をすることでその機能をアップすることができます。
様々な内臓の病気に関しても運動療法は実は行われているんです。
国家資格を持った理学療法士や呼吸療法士といった専門の方々の手を借りてこの運動療法が行われているわけですね。
整形外科では運動療法はどんなことをする？
有酸素運動
例えば腰が痛いっていう場合、血の循環が悪いと腰の中に痛みを発する痛みの物質や老廃物が滞ってしまっていつまでも痛みが続いてしまいます。
ですので酸素をたくさん取り入れ血液循環を促すような運動するということはとても大事なわけですね。
ストレッチ療法
体の節々が固まってしまうと色んな機能を損ねます。節々が可動域という元々人間が動かせる範囲精一杯に動かせることはとても大事なんですよ。
もし股関節や腰の背骨が硬くて固まってしまったらしっかり良い姿勢が取れないので腰痛が長引いたりします。
つまり関節が硬くて痛みを起こしているということもあるんです。
関節をよく動かして柔軟にするためのストレッチ療法は基本の基本ですね。
体幹トレーニング
体幹というのは体の軸ですね。
重力に打ち勝って楽な姿勢を維持できるようにするには体軸を整えるがとても大事です。
人間の背骨は骨だけが積み上がってできてるわけではありません。
骨と骨の間に椎間板であったりそれを支える靭帯であったり周りには筋肉もあります。
このような様々な解剖学的な体の構成要素をフル動員して体の軸を整えるということが大事なんですね。
体幹トレーニングをすると疲労しないし痛みから和らげてくれる良い姿勢になります。
例えばヨガやピラティスなどは体軸を非常に重視して行なっている運動の一つですので取り入れていただくとよろしいかと思います。
筋力トレーニング
瞬間的ではなく長時間良い姿勢が取れるためにはやはり筋肉をトレーニングして鍛えていくことも大事です。
すぐには効果が表れなくても繰り返し筋力トレーニングになる運動を続けることで、1か月1年経つとしっかりした体が作り上げられていきます。
私が一番大事だと思う運動療法のコアとなる部分はこの4つです。
決して体の節々が硬いのにいきなり筋トレやってもよくありません。
ストレッチをしたり体幹をきちっと維持できて初めて筋トレの効果が十分に発揮できるという風に考えてください。
病院のホームページをご覧いただき理学療法士がいてリハビリテーションを行っているということが明記されてあれば運動療法ができる場が提供されていると思いますので探していただくとよろしいかと思います。
体に不具合がある方は整形外科で運動療法のご相談をしてみてください。
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