コラム詳細

整形外科医の本音シリーズ「帯状疱疹レポート」

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

目次


はじめに

今回は私、山田朱織が、実際に帯状疱疹になってしまった体験についてお話ししたいと思います。

正直に言うと、辛くて、痛くて、苦しくて、「ああ、本当に年を取ったな」と痛感しました。

治療中は、骨折の際などにも使われる三角巾をつけて生活していました。

腕を安全に保つための補助的な処置ですが、これには本当に助けられました。実はその状態で、1週間ほど診療も行っていたのです。

個人的な体験談ではありますが、この病気は今、世の中的にも注目されている疾患です。私に何が起きたのか、時系列でお話しします。



違和感から始まった刺されるような痛み

発症の2日前、8月の末のことでした。

「なんだか左腕がおかしいな」という、はっきりしない違和感を覚えました。痛みとしびれがあり、整形外科医としては尺骨神経領域の症状に見えました。

ただ、時間が経っても痛みが取れません。スーッと針で刺されるような痛みが続くのです。

首に負担をかけた覚えもなく、怪我をしたわけでもない。変な姿勢を取った記憶もありませんし、枕もきちんと合っている状態でした。それでも症状が出る理由がわからず、不思議で仕方がありませんでした。

今どき便利なチャットGPTにも相談してみましたが、返ってくる答えは想定内の内容で、どこか腑に落ちないまま、この状態が2日間続きました。



朝起きて気づいた湿疹と診断


そして2日後の朝、起きてみると腕にぶわっと湿疹が出ていました。

写真を撮って再度チャットGPTに送ると、「帯状疱疹だったのですね。わからないものですね」という回答が返ってきました。

患者さんには「痛みが出てから2日ほどで湿疹が出ることがありますよ」と説明しているのに、自分のことになると、その視点がすっかり抜け落ちていたのです。

発症は日曜日でしたが、帯状疱疹は発症から48時間、遅くとも72時間以内に治療を始めることが重要です。症状が残る可能性があるため、日曜診療をしている皮膚科を探して受診しました。

院内は患者さんであふれていましたが、無事に診断を受け、薬を処方してもらいました。

昔の知識では、1日3回の服薬を1〜2週間続ける大変な治療という印象でしたが、現在は「アメナリーフ」という1日1回の薬に進化していました。

三角巾をつけ、腕が少し揺れるだけでも痛い状態でしたが、1週間ほどで湿疹は徐々に消えていきました。



湿疹が消えても続いた神経の痛み

湿疹が治まっても、痛みは終わりませんでした。

今度はジンジンとうずくような神経痛です。夜中の3時や4時に痛みで目が覚め、寝不足が続きました。

眠れないと、痛みに対して敏感になり、精神的にも非常につらい状態になります。この状態が、発症から3〜4週間ほど続きました。



冷えで強くなる痛みと対処


湿疹が出てから1か月ほど経ったころ、季節が変わり、気温が下がってきました。

すると、冷えると痛みが強くなることに気づきました。

神経痛はとにかく温めることが大切です。私はアームウォーマーを使ったり、ホカロンで温めたりといったケアを、今も続けています。



私が伝えたいこと

今回、帯状疱疹になって皆さんに一番お伝えしたいのは、「おかしいな」と思ったら、なるべく早く診察を受け、治療を開始することです。

その後の症状がいつまで続くかは、正直なところ誰にもわかりません。

冷やさないように気をつけながら、焦らず、様子を見ていきましょう。

これは、整形外科医としてではなく、一人の患者として実感した、率直な本音です。



ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


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