冬のあったかグッズのカイロや湯たんぽによる低温火傷に注意しましょう!
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
冬の寒い時期、ホットカイロや湯たんぽ、電気毛布などあったかグッズを使いますよね。
そこで心配なのが低温火傷です。
毎年冬になると、患者様の中で何人か低温火傷になってしまうことが残念ながら起こっております。
診察の時にもなるべく患者様に注意を呼びかけるんですが、整形外科には"ある病気"が多いのでどうしても低温火傷になってしまうことがあるんです。
今回はそこを解説していきたいと思います。
低温火傷は気付きづらく治りにくい
ホットカイロなど、もちろん熱ッとなるような温度だったら気づきますよね。
だけど温度が44°から55°っていう体温よりちょっと温かいぐらいなので、結構ずっとしてても気持ち良く感じて気づかないんですよね。
貼った時はあったかいと思うけど、その後忘れちゃってませんか?
そうするとじわじわと、長時間温まっている状態です。
どういうことが起こっているかというと、普通の火傷であれば火に触っちゃったとか、油が跳ねたとか、皮膚の表面があちってなって火傷が起こりますよね。
でも、低温火傷は違うんです。
長時間、皮膚のずっと奥底の方がじっくりと温まって火傷が起こってしまうので、気づかないけど結構大変なことになってしまうんです。
結果として、治りにくいということが起こります。
お肉をイメージしていただくとじわじわとゆっくり焼くと芯までしっかりと焼けて美味しいんですが、火傷はそうはいかないのでじっくり芯が焼けちゃったら困るんですよ。
火傷の分類
火傷の症状は程度によって分類されています。
軽度(1度)
ヒリヒリするなみたいな痛み。表面がうっすら赤くなる。
中度(2度)
強い痛みを感じる。表面に水が溜まった水泡ができてしまう。
重度(3度)
皮膚壊死。神経が焼ける。
1・2・3っていう風に分かれているんですが、3になるほど当然重症になっていくわけですね。
そして3度はなかなか起こらないですけど、皮膚が黒くなって死んだ状態で、中の神経も死んでしまうので麻痺が起こるわけですね。
これはもう本当に重篤で、その死んでしまった組織を手術で取り除かないと他の組織もダメになってしまうような重度の状態もあるので本当に気をつけてもらいたいなと思うわけです。
睡眠中になりやすい
低温火傷は寝ている時によく起こきます。
起きてる時だったら、なんか熱いなと思ったら外したり触れてる部分を変えようとか思いますが寝てるとそうはいかないので、朝になって起きた時に気づくっていうことが起こるわけです。
当院の患者様もほとんどが朝気づくパターンで、朝起きたらその形のまんま火傷していたっていうことが起こるんですね。
坐骨神経痛があると感覚が鈍くなる
ご高齢の方で腰が悪い場合、座骨神経痛があって貼るカイロを貼って寝てしまう方もいらっしゃいます。
そうすると朝、火傷になっていて皮膚科にかかるということになってしまいます。
まさにそれが典型的なパターンなんですが、例えば腰の中の神経の周りが狭い狭窄症などという病気では、足に座骨神経痛が起こります。
足がつったり痛かったりするので、症状を和らげようと患部にホットカイロを貼って寝ちゃうわけです。
そうすると、7~8時間じわじわと長時間温め続けて、とうとう低温火傷になってしまうんですね。
特に腰が悪い方の場合は、足の感覚が鈍かったりするので余計に気づかないわけです。
なので寝ている間の使用は控えていただいて、日中は気づくのでホットカイロは日中に使っていただくことを推奨しております。
冬のあったかグッズは色々といいこといっぱいありますが、注意も必要だということを少し念頭においてください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
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