偏頭痛、緊張型頭痛、混合型頭痛、特徴や対策、受診すべき診療科を解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
今回は「偏頭痛、緊張型頭痛、混合型頭痛、特徴や対策、受診すべき診療科を解説」という話をさせていただこうと思います。
なぜ私がこの頭痛についてお話をしたいと思ったかというと、毎日毎日整形外科の外来に「頭が痛いんです」「私は偏頭痛なんです」と言ってくる患者さんが後を絶ちません。
この頭痛、実は偏頭痛ではないことが多くあるんです。
つまり偏頭痛という言葉、この使い方が問題なんですね。偏頭痛=頭痛、頭痛の代名詞のようになってしまっているからです。
頭痛の患者様の問診を紹介
山田:今日はどうされましたか?
モデル:私は偏頭痛持ちなんです。
山田:偏頭痛いう言葉をおっしゃいましたがそれはどこの病院で診断されましたか?どんな検査をしましたか?
モデル:病院には行ってません。でも偏頭痛があるんです。
このような患者様が本当に困ったもので、たくさんたくさんいらっしゃるんですね。
この頭痛を訴える多くの場合は偏頭痛ではなく首の頭痛、緊張型頭痛が多いんです。
こちらをご覧ください。
偏頭痛の患者様は、緊張型頭痛の患者様より圧倒的に少ない
実は偏頭痛と緊張型頭痛を比較してみると、慢性頭痛の中で偏頭痛は800万人、緊張型頭痛は2000万人とも言われています。
両方ともある混合性頭痛の方もいらっしゃいます。
つまり、偏頭痛の患者さんは緊張型頭痛の患者さんに比べると、圧倒的に少ないということがわかるんです。
約半数の方が頭痛を感じながらも診察を受けていない
また興味深いのは日本イーライリリー社という製薬会社さんが研究を行いましたが、1万7071人の方を対象に行なった調査でなんと42.6%約半数の方が一度も頭痛で受診をしていない、専門の先生に診てもらっていないということがわかったわけです。
いかに多くの人が頭痛を感じながらも、慢性的に辛いと思いながらも一度も専門的な科に受診せず確定的な診断がついていない、自らのみで悩んでいるということがうかがわれる事実です。
今日はこの頭痛について解説をしていきたいと思います。
山田:頭痛持ちと伺いましたがどんな頭痛ですか?
モデル:学生時代から偏頭痛持ちで、月に何度か肩とか腕に凝りが同時に起きたりします。こことか腕とかですね。しびれたり凝りも出てきます。
山田:頭痛があるときに肩から腕の症状や背中まで痛くなるということですね。同時で起こってしまうわけですね。
モデル:はい。同時に痛みと凝り、しびれが同時に起きます。
山田:頭痛はどんな感じですか?ズキンズキン拍動するような頭痛、もしくはビリっと響くような痛み、しびれるような痛みいかがですか?
モデル:重たいような感じでズキンズキンっていうような脈を打つ感じではないです。
山田:鈍痛ですね。鈍い痛みということですね。片側に起こりますか?それとの両方に起こりますか?
モデル:片側の時もあれば両側に起こる時もあります。
山田:お母様やお父様、ご家族にも頭痛はありますか?
モデル:いいえ、両親はどちらも頭痛はないです。僕だけです。
山田: 少し話しづらかったら可能な限りでいいので教えてください。最近何かメンタルに悩んでいることとか、精神的につらいなぁと思うようなことはありませんか?もしくは以前でもいいので心療内科や精神科に通っていたことはないでしょうか?
モデル:実は二十歳の時、軽い鬱病になって半年間くらい心療内科に通ったことがあります。でも今は完治しています。それは頭痛と関係あるのでしょうか?
山田:そうですか。やはり、そういったことが過去にはあったということですね。
偏頭痛も緊張型頭痛もメンタルと関連している
実はですねこの慢性的な頭痛と、それは偏頭痛であっても筋緊張型頭痛であっても、非常にメンタル精神的なつらさや悩みと関連しているということが近年の研究でわかってきたんです。
ですのでもし頭痛のみならずメンタルの問題もあるとすれば、それは心療内科や精神科への相談が必要になってきます。その事も一つ覚えておいてください。
モデル:そうなんですか。長い間誰にも相談できずに悩んでいました。時々、市販の薬を飲んでみるんですが一時しのぎにしかならなかったので。
本当にこのお方のように慢性的な痛み、誰にも言えない、病院に行っていいのかもどうかも分からない、どんな科に行けばいいのかもわからない、このような方悩んでいる方は沢山いると思っています。
そのような方がぜひ適切な科に受診できるように、これから説明する内容を見て自分の頭痛がどれに当てはまるかを考えてみてください。
最後に適切な科もご紹介いたします。
こちらをご覧ください。ここに代表的な頭痛を3つ書きました。
3つの頭痛の種類と4つの特徴
偏頭痛、緊張型頭痛、そして群発頭痛と言います。いろいろな特徴があるんですがその中でもとても重要な4つの特徴を書きました。
まず性別について。
偏頭痛は女性に大変多いです。もちろん男性もいます。
緊張型頭痛は圧倒的に女性が多いんですが、近年は男性も増えていると私の外来の経験からは思っています。
一方、群発頭痛は圧倒的に男性が多いと言われています。
頻度についてです。
どのぐらいいつもその頭痛が起こってしまうかということでいうとダントツで、毎日のようにあったり集中的に1週間痛かったり、群れのように群発するということで頻度が高いのはこの群発頭痛ですね。
また、偏頭痛も比較的定期的に起こることが多いです。
この中では緊張型頭痛。もちろん個人差があってたまになる方、毎日連続辛い方いらっしゃるんですが、こちらに比べると頻度が少ない、時々あるみたいなことが多いと考えられています。
次に誘発因子。これがあるとこの頭痛が起こりやすいという誘発因子ですね。
偏頭痛の場合は動作。疲労がたまると起こりやすい。こういったものを見るとこういったことを聞くとなるというのは動作と関連付けられていることが多いんです。
緊張型頭痛は、疲労と姿勢が大敵
緊張型頭痛はやはり疲労と姿勢が大敵です。
悪い姿勢をとっているとデスクワークで長時間前かがみの姿勢をとっていたり、スマホやゲームやどうしても今の日常生活というのは悪い姿勢になりがちですが、このような悪い姿勢が一つの緊張型頭痛の誘発因子となっています。
また、群発頭痛に関しては独特のアルコールやヒスタミン。これをきっかけとして頭痛が起こるというふうに研究されています。
最後に随伴症状といって頭痛に伴う症状です。
偏頭痛があるとその前に前兆として光や音、何か聞こえたりキラキラしたものを見たりすると一緒に頭痛が起こるという症状があります。
また緊張型頭痛では肩こりや疲労感、だるさこういったものを感じるケースが多いです。
群発頭痛は特徴的で涙が流れる、目が充血する、鼻水が出たり鼻がつまる感じがしたり、もしくは汗が出る、こんな自律神経症状を伴うこともあるんです。
3つの代表的な頭痛、それぞれ特徴が違うということをお分かりいただけましたか。
一口に頭痛、頭痛の代名詞である偏頭痛という言葉を使わずに、まずご自分の頭痛がどんな特徴があるのかということをよく観察してください。
そして、この頭痛かなと思ったときはそれぞれに異なる適切な科に受診することをお勧めします。
緊張型頭痛の場合は整形外科へお越しください。
緊張型頭痛の場合、姿勢、寝ているときの枕で改善することができます
当院では椅子の座り方、パソコンに向かうときのこの起きている時の姿勢、座位での姿勢、また寝てる時の枕を使った姿勢、こういった姿勢を改善することで適切にお薬を使わなくても頭痛の治療ができると考えています。
また、偏頭痛や群発頭痛に関しては神経内科、脳神経外科、脳神経内科、そして頭痛専門外来に受診することをお勧めしたいと思います。
先ほどもお話ししたように、メンタルの問題心もつらい、軽いうつ症状もあるかなと思った時には頭痛と両方を見てくれるメンタルの専門科心療内科を受診してください。
今日はあなたの辛い頭痛、単純に偏頭痛だと思っていませんか。頭痛にもいろいろな種類があるんです。
その種類によっては特徴は異なります。この特徴を知ることで自分の頭痛がどれかなということを予測し、そして適切な専門家を受診することが大事です。
できるだけ早く受診することをお勧めしたいと思います。お大事になさってください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
寝ている時の姿勢を枕で正すことが頭痛にも有効です。
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