「ベッドから起き上がると腰が痛い!整形外科医が教える“危険な腰痛”の見分け方
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は当院にも多い腰痛について解説いたします。
朝、起き上がる時に腰が痛いという方が非常に増えてきているのです。
目次
起床時の腰痛が増えている背景
近年、整形外科には「朝、ベッドから起き上がる時に腰が痛い」という相談が非常に多く寄せられています。
高齢化によって腰のトラブルを抱える方が増えていることが背景にあり、日常生活に大きな支障が出るケースも珍しくありません。
特に起き上がり動作で強い痛みを感じる腰痛には、大きく2つのタイプがあり、その見極めが重要だとされています。

腰痛は2つのタイプに分かれる
起床時の腰痛は、整形外科医の視点では次の2つに分類できます。
Aタイプ:緊急性は低いが治療が必要な腰痛
Bタイプ:緊急の治療が必要な危険な腰痛
痛みの強さだけでは判別が難しく、痛みの続き方や起き上がれるかどうかが大きな判断基準になります。
Aタイプ(比較的軽度)の腰痛
Aタイプの腰痛に多いのは、腰痛症や変形性腰椎症、腰のヘルニア、脊柱管狭窄症など、いわゆる「慢性的な腰の病気」による痛みです。
朝、ベッドから起きる時にズキッとした痛みが出ても、5〜10分ほどすると痛みが和らぎ、日常生活が通常通り送れるのが特徴です。
洗顔や歯磨き、朝食の準備などをこなすうちに痛みが引いていく場合は、このAタイプである可能性が高いと考えられます。
ただし軽度とはいえ、慢性的に続く場合や悪化の兆候がある場合は、整形外科での診察が必要です。
また、起き上がり動作の負担を減らすには、日頃の寝姿勢や寝具の見直しが効果的です。
Bタイプ(危険度の高い腰痛)
一方で、より深刻な腰痛がBタイプです。
このタイプの方は、痛みが非常に強く、自力で起き上がることができない状態に陥ることがあります。
家族の手を借りても起き上がれないほど痛みが持続し、無理に動くとさらに悪化するケースもあります。
痛みが長引き、朝の支度どころか、立ち上がる動作自体が困難になることもあります。
Bタイプの原因として代表的なのが、
・骨粗鬆症による圧迫骨折
・背骨への癌の転移による骨折
といった重篤な病気です。
このような骨折は大きな怪我で起こるイメージがありますが、骨粗鬆症があると小さな負荷で気づかないうちに骨が潰れてしまうことがあります。

圧迫骨折が起きる理由
圧迫骨折は高齢者に特に多く、日常動作のわずかな負荷で起こります。
本人の自覚が乏しいこともあり、痛みが出て初めて気づく方も少なくありません。
整形外科の現場では、腰痛を訴えて受診した結果、検査で癌の転移が見つかるケースも報告されています。
このため、起床時に強い痛みで動けない状態は見逃してはいけないサインです。

早期受診の重要性
朝の腰痛がAタイプかBタイプかを自分で判断するのは難しい場合があります。
特に以下の症状がある場合は、すぐに整形外科を受診しましょう。
・起き上がれない、もしくは介助が必要
・強い痛みが長時間続く
・高齢で骨粗鬆症のリスクがある
・過去に骨折歴がある
整形外科では必要に応じて画像検査を行い、圧迫骨折や他の疾患の有無を確認します。早期に治療を開始することで、症状悪化を防ぎ、回復を早めることができます。

自宅で気をつけたいポイント
Aタイプの場合でも、痛みが毎朝続くようであれば生活の見直しも重要です。
・寝返りしやすい寝具環境に整える
・柔らかすぎる寝具や沈み込むマットレスを避ける
・身体に合った枕を選ぶ
・長時間同じ姿勢を避ける
・軽いエクササイズやストレッチを取り入れる
山田朱織枕研究所でも、寝姿勢を医学的に分析し、枕や寝台の調整によって腰の負担を減らす取り組みが行っています。
起き上がり動作は腰に最も負荷がかかるため、寝ている間の姿勢が整うと、朝の痛みが軽減されやすくなります。

まとめ
朝、起き上がる時に腰に強い痛みがあった時は、痛みの程度や持続時間に注意しましょう。
起き上がれないほどの痛みは圧迫骨折の可能性があり、至急治療が必要になりますのでまずは整形外科にかかってください。
特にご高齢の方は骨粗鬆症になっている方が多いのでお気をつけください。
当院でも何人もコルセットを作って治療している患者様いますので、ご家族の方も含めてこういう知識を持っておいてください。

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山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
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