コラム詳細

オーダーメイド枕の整形外科枕に使っている素材を詳しくご紹介

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。


今回は私たち山田朱織枕研究所の主力商品オーダーメイド枕の「整形外科枕」の構造について説明したいと思います。

この構造を知ることでより快適に枕を使っていただくことができると思いますので、ユーザーの皆様もこれから整形外科枕を購入しようか検討している皆様もぜひご参照ください。

(ユーザー様におきましてはお渡ししてる取扱説明書の7、8ページ目にも詳しく載っていますのでそちらもご参照ください。)

整形外科枕はいろいろな素材が何層にもなっている構造です。

構造こそがしっかりと一人一人の体に合うための重要なキーポイントになっているんです。


外カバーと内カバー


整形外科枕は外カバーと開けると中にもう1枚内カバーに包まれた枕が出てきます。

なぜ内カバーと外カバーの2枚になっているかというと、洗濯しようとカバーを取った時に枕の中身がばらけないようにするためです。

中身の素材は洗濯できません

内カバーを付けたまま枕本体は陰干ししてください。

整形外科枕の取り扱い方法

人間工学に基づく三層構造


整形外科枕は何層もの素材が重ね合わさって完成しています。

様々な性質の異なる素材を組み合わせています。

これは「人間工学」という人間のための快適な道具を研究する分野において、三層構造というのが寝具にとっても重要とされているからなんです。

三層構造はそれぞれソフト層、クッション層、支持層という3つの層になっています。

3つの層があることでしっかりと頭を支え首がグラグラせずに安定します。

寝返りを打つ時にもしっかりと頭と首を支えてくれるので首が安定して回るのです。

何層もあるのは意味があり、とっても重要なポイントです。


首当たりをよくする工夫


中の素材の一番上の素材は長さが長くできています。

ソフト層の部分が枕の角に垂れ下がっている構造です。これは枕を当てた時に首の当たりをソフトにするためです。

整形外科枕が支えを出すためにどうしても全体的に硬い枕ですので、枕の角が首に強く当たらないようにソフト層をかぶせた構造で感触を和らげているんです。

またミックスウレタンという分厚い素材は角が90度ではなくカットしている部分があります。

カット部分を首側にすることで首の当たりがよりソフトになります。

さらに最も硬いポリエチレンシートにおいては、ミックスウレタンよりも長さを少し短くすることでカット構造を強調しています。


細かく見ていくと素材ごとに首当たりが不快感がないような工夫がなされているんです。


ウレタンの匂いが気になる場合

最初枕が届いたばかりの時は箱から開けると、どうしてもウレタンの匂いが気になる方もいらっしゃるかと思います。

その場合は風通しのいいお部屋の中で陰干しをしてみてください。

すぐに使わずに2~3日も置いておけば、ほとんどその匂いは気にならなくなると思います。

日光に当てると変色してしまいますので注意してください。


ミックスウレタンについて


一番分厚いミックスウレタンという素材は、斑に変色してるところがあります。

これは製造過程で起こることなのですが、ミックスウレタンは様々な素材のウレタンをチップ状にして再度固めて作っています。

たまにウレタンの角などがしっかりと表面に向き出てしまった時に色が濃く映ったりします。素材の組み合わせで起こるものなのです。

カビではないですかと心配される方もいらっしゃいますが、素材の色ですので衛生的にも全く問題はありません。

ご安心して使っていただければと思います。


ミックスウレタンは装具に使われている

実はミックスウレタンの素材は、例えば足を切断された方がはめる義足という装具に使われている素材なんです。

枕の素材を探していた時に、装具の中に使っているウレタンだったら寝返りを打って頭が動いてもしっかり支えられて、耐久性の良さというのにも魅力を感じてこの素材を選びました。


ポリエチレンシートについて


実は整形外科枕の素材選びはかれこれ20年前なります。

ものづくりというのは初めてだったし、世の中にない枕を生み出すわけですからそれはそれは素材選びは大変苦労しました。

今でこそ立派なポリエチレンシートという良い素材を使っていますが最初に私が注目したのはフエルト素材でした。

固綿と言って非常に最初は硬くて良いのですが、月日が経ってくるとだんだんフエルトの繊維がばらけて柔らかくなってしまうんです。

整形外科枕を購入したお客様全員の枕を無料で素材交換したこともありました。へたりやすかったわけですね。

また一時期は大工さんが木の板の素材を使って枕を作ったよと見せてくれたり、また硬いコルクを素材として検討したこともありました。

しかし、いずれも硬すぎたり柔らかすぎたり大変難しかったんです。

お客様、患者様と共に一体となって素材を改定してきたと言っても過言ではありません。

研究に研究を重ね、今の最適なポリエチレンシートを使うことができるようになったわけです。

大変耐久性もあって素晴らしい素材です。


枕カバーについて


枕カバーも今でこそ汗をしっかり吸って通気性もいいカバーが誕生しましたが、これも最初は大変でした。

最初はやはり寝ているときは頭って汗かきますので、汗を吸う吸水性が良い素材がいいと思いました。

そして体の中で最も汗かくところって実は足なんですね。

なので靴の側地だったらしっかりと汗を吸ってくれて良いんじゃないかと考えたわけです。

ナイキのシューズの側地を作っている会社さんに神戸まで行ってお話を聞いてきたこともありました。

そうして出来上がったのが初代の2003年に生まれた整形外科枕です。

最初は特殊な靴の側地の枕カバーだったんですね。

しかし、問題点がありました。

髪の毛が食い込んでしまうという特性があったのです。

その後、素材と同じようにどんどん改定されて今のカバーになりました。


今の最適な素材やカバーの整形外科枕をお客様に提供するためには長い歴史があり、繰り返し繰り返し失敗を忘れずに改定するということをお客様と共にやってきた歩みの年月があるということをいつも忘れずにやっております。

会員のユーザーの皆様にはもちろん長く使い続けていただきたいですし、これから整形外科枕を購入しようかなと考えてらっしゃる方であればこのような素晴らしい素材でできていますので是非ご検討ください。


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