コラム詳細

【出張枕外来】枕なしで寝ている女性のお宅で枕計測を行ってきました!#2

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

今回は睡眠にお悩みの女性のお宅に枕計測に行ってまいりました。

前回は日ごろのお悩みの症状や寝具環境をお伺いし、触診も行いました。

いよいよ今回は枕を計測していきますのでそのご様子をお届けします。

目次


自宅へ出張枕計測

普段の睡眠姿勢を確認

山田:いつもは上向きで寝られるとのことで、普段通りにまず寝てみてください。

Aさん:こんな感じです。


山田:この状態何もつらくはないですか?

Aさん:この時点で特につらくはないです。

山田:ちょっと喉を感じていただきたいんですが、上の方圧迫感は感じないですか?

Aさん:息は通っていて大丈夫だと思います。

山田:ではコロリと横向きにお願いします。

横になった時に肩が邪魔に感じませんか?

Aさん:邪魔ですね。


山田:この肩をどうするかっていうと、皆さんやっぱりちょっと肩を前に出すんですよ。

それでも、どうしてもこの肩が枕なしではきつすぎます

なので、睡眠中寝返りを打って横向いてもおそらく枕なしだとまたすぐに上向きに戻っちゃうかなと思います。

朝目覚めた時、上向きじゃないですか?

Aさん:上向きだと思います。

山田:そうですよね。そしたら今度は鎖骨鎖骨に手当てていただいて、お膝を軽く立てて寝返りをコロコロと打ってみてください。

途中ちょっと肩の圧迫感って感じないですか?

Aさん:あります。

山田:ありますよね。少しお体に力を入れて、よいしょっていう感じで寝返りしてるように見えるんですよ。

骨盤辺りに力が入る感じはないですか?

Aさん:なんか全体的に力が入ってます。


山田:全体的にですね。こんな格好で寝返り打ったことないと思うので、あんまりいつも感じられないと思うんですけれども、枕なしだとやっぱり力が入ってしまっていると。

1晩に20回ぐらい人は寝返りを打つので、これだと朝疲れてしまうということが起こります。

Aさん:そういえば普段後ろの髪の毛が鶏の巣みたいに絡まっていることがあります。

山田:鳥の巣みたいに!?髪の毛が絡まってしまうというのは、頭が動きにくいせいでかなりこすれながら移動してるんだと思います。


枕に必要な条件


山田:寝返りのしやすさや横向きの肩の圧迫感などお楽にお休みいただくために、枕には大事な条件っていうのがあるんですよ。 

1番大切なことは1人1人のお体格に高さが合ってるってことです。

2番目は表面が凹凸がなく平らなこと。

例えば羽毛の枕とかウレタンの凹凸枕とか、頭が乗っかったら両脇が高くなっちゃって頭沈んじゃうみたいのはもう絶対に寝返りに良くないんですね。

そして、硬いってことも大事なんです。

さっきマットレスを柔らかすぎるのいけないっていうおっしゃってたじゃないですか。

枕も全く同じなんですよ。

ちょっとこちら触っていただいて、硬くないですか?

Aさん:硬いです。

山田:硬いですよね。なんか硬くて石みたいで嫌な感じするかもしれないんですが、高さがちゃんと合っていれば頭の下に敷くと硬く感じないんですね。

それぐらい高さが重要ということなんです。

こちら5mmシートなんですが、この5mm違うだけで全然感触って変わってくるので、その違いをご体感いただきたいと思います。



枕計測スタート

山田:ではまず、身長体重お体格から予想できる凡そ合う範囲の高さ55mmとして、まず頭の下に置かせていただきます。

どうぞお力を抜いてください。

仰向けで確認させていただくことはまず呼吸が楽かどうかいかがですか?

Aさん:すーっと呼吸は通ってます。


山田:この呼吸の感じ、喉元の感じを覚えておいていただいて枕なしと比較してください。どうですか?

Aさん:そうですね、なんか首に圧がかかっている感じがします。

山田:首回りに力入ってくるんですよね。喉なんですけどもちょっと締めつけるっていうほどじゃないにしても、ちょっと押されてる感じないですか?

Aさん:ありますね。


山田:そうですよね。何でかと言うと、首の角度が悪いと首の骨の前にある気道も変な格好になっちゃうので呼吸が通りにくくなるんですね。

私から見ると非常に首の角度が悪いので、呼吸に影響しちゃうなっていう感じです。

もう1度枕当てますね。呼吸お楽ですか?

Aさん:はい楽です。

山田:ではここから5mm高さを変えます。1つ前と比べてどちらが楽ですか?

Aさん:あんまり変わらないです。低くなったんですか?

山田:高くなっています。あんまり変わらない感じですね。これでも喉が詰まるような違和感はございませんか?

Aさん:ないです。

山田:はい、わかりました。では、今度はちょっと低くしました。これはどんな感じですか?

Aさん:なんか低い方がしっくりきてる感じがします。


山田:しっくりきますね。今まで枕なしだったので、低いと確かに少しそういう感じあるかもしれないです。

喉で感じていただくと、力抜いていただいて喉がすっと息が楽に通るっていうことで言うと、今と高さ戻してどちらが楽ですか?

Aさん:高いほうですかね。

山田:客観的に見ても、やっぱこの首の角度ですと喉が楽かなと思うんですね。


ではこれは上向きの時の高さですので、次に横向きも拝見します。

手を前にクロスしていただいて膝を立てて左向きお願いします。

どうぞ一旦お力を抜いてください。

ここで私が客観的に見てるのは、おでこ・鼻・胸までの直線とベッドマットレスの表面が平行になってるかなんですね。

今すごく理想的な綺麗な形になっています。

肩圧迫ありませんか?

Aさん:大丈夫です。


山田:大丈夫ですね。では、横向きでも枕なしと比較していただきたいんですが、この肩の圧迫を感じていただきたいんですよ。いかがですか?

Aさん:全然肩の圧迫変わりますね。


山田:そうですよね。これぐらい毎晩肩をいじめつつ、何年間かお休みなってたっていうことなんですね。

そして、先ほど上向きだとしっくりと感じられていた高さにしてみます。

こちらはちょっと肩の圧迫出ませんか?

Aさん:そこまでではない感じがしますけど。

山田:そんなに変わらないですか?もう1回5mm足してみますので肩で感じてください。

Aさん:あっ楽です。


山田:楽になりますね。ありがとうございます。反対向きもお願いします。

右の肩ですが特に圧迫感はないですか?

Aさん:はい、大丈夫です。

山田:はい、では右向きでも5mm下げてみます。肩の圧迫いかがですか?

Aさん:少し圧がかかってるかもしれません。

山田:少しありますね。もう一度5mm足します。

Aさん:こちらのほうが楽ですね。

山田:楽ですね。ばっちりです。じゃあ仰向けにお戻りください。

では最後の確認が寝返りとなります。

左右に転がってみてください。


ではこの寝返りを枕なしでやってみてください。

Aさん:頭を浮かせちゃいますね。

山田:そうですよね。どうしても枕がないと自力で頭を持ち上げようという形になっちゃうので、横向きになるときに頭上がっちゃうんですよ。


ではもう1度枕当てますので寝返りお願いします。

Aさん:するっといきますね。

山田:最初の1回目がもう全然違うと思います。ではここから5㎜の違いでどうなるか見ていきます。まず5㎜低くしてみます。いかがですか?

Aさん:最初の方がしやすいかもしれないです。


山田:そうですね。客観的に見てもそうなんですよ。たった5mmなんですけど5mm低いと骨盤に力が入ってきてるんですよね。

一生懸命大きな力出そうっていう時は、まず人間って骨盤から大きな力を出していくんです。

なので骨盤から先に動いてあとから上半身が追いかける形になります。

たった5mm違うだけなんですが、5㎜高かった方が骨盤を使わないでスムーズでした。

もう一度戻してみます。

Aさん:違いますね。

山田:ありがとうございます。では念のため5mm高い時も確認させてください。これでも同じように寝返りお願いします。

どんな感じですか?

Aさん:いい感じな気がします。


山田:そうですね。低い時はかなり辛いんですけど、高い時はそれほど問題はないんです。

そしたら上向きに戻っていただいて、この5㎜高い感じと下げてみますのでどちらがリラックスできますか?

Aさん:下げた方です。

山田:そうですよね。なぜこうなるかっていうと、実はベッドがちょっと柔らかいんですよ。

シモンズの中でも表面のソフト層が厚いんですね。

このソフト層の柔らかい分だけ、相対的に人間の体の中で1番重い腰が若干沈みます。

頭の方が軽く沈み込みは少ないので、その分だけ枕が高くなっちゃうんですね。

ですので本来はご身長体重からは60mmという高さがいいんですけど、ベッドを考えると5㎜下げた方がよろしいと思いますので今日の計測結果は55mmとさせていただきます。


枕の使い方の説明

山田:じゃあ枕の当て方説明しますね。当て方とっても大事です。

今当てている位置から少しずらしてみます。枕ずれたら嫌な感じしませんか?

Aさん:嫌ですね。


山田:顎が落ちちゃって首にも負担がかかりますので、寝る時には枕をしっかりと首の付け根ギリギリまで入れてください。

Aさん:安定感がありますね。

山田:よろしいですよね。もし寝てる間に枕が斜めにずれてったり、頭が落っこっちゃったらその時は枕がうまく合ってないっていうことになるので高さ調節をいたします。

どんな使用状況かメールとかお電話でお話いただいて、じゃあこういう風に枕の高さを変えてくださいっていう調整のご提案をいたしますのでご安心ください。

なんか質問はありませんか?

Aさん:特にはなくて、なんか寝ていていい感じなので、目が覚めてスッキリしそうな感じがします。

山田:ありがとうございます。実際に使ってみていただいて、また結果も伺えればと思います。



枕と首のしわの関係は?

山田:Aさんは首のしわも気になるので枕を使ってないとお伺いしましたが、これはあくまで私の考えなんですけれども枕がないと仰向けでは首が伸びてる感じがするんです。

でも、人間ってずっとこの格好で寝るわけではないんですね。

横向いた時に頭が下がって首も下がってしまってとてもしわができてしまいます。


Aさん:そうなんですね。

山田:横向きで枕があると、首が真っすぐになるのでしわが起こりにくいんですね。

そして、上向き横向きの途中で寝返りの動作の時に、首がグラグラしてしまいます。

枕をして首が安定してグラグラしない方が首のしわにとってはいいと私は考えています。

一瞬のストレッチ効果っていうことではなくて、長期的に見てしっかりと高さの合った枕を使っていただく方がしわが増えないんじゃないかなと思うんです。

ただ大前提としてしわってそもそも年齢でも起こるし、枕や寝具だけのことではないと考えていただければと思います。

いい姿勢で寝ることがやっぱり皮膚にとっても、何よりも良い睡眠が取れることが体にとっては大事かなと思うのでそれを目指していただけれ思います。

Aさん:わかりました。



掛け布団を拝見

山田:いつもお使いの掛け布団が綿の掛け布団ということで、気になるので見せていただきます。

Aさん:こちらです。

山田:そんな感じですね。柔らかくて肌触りめちゃくちゃいいですね。

あっカバーなしで寝てらっしゃるんですね?

Aさん:そうです。

山田:私もカバーなしがいいと思います。洗えるんですか?

Aさん:そうです。

山田:いいですね。やっぱりカバーなしで、汚れちゃったら洗うえるっていうのが最適で、カバーがあるとすごく体にまとわりつくんですよね。

ちょっと枕もして寝ていただいてもいいですか?

Aさん:はい、こんな感じですね。すごく肌触りも良くていい感じです。

山田:ちょっと寝返りもしていただけますか?

Aさん:寝返りはちょっとしにくいですね。


山田:そうですね。どうしてもまわりつくっていうことが問題になるんですよ。

なので肌触りはすごくいいんですけど、なるべく軽いほうがいいんですね。

今日羽毛布団も持ってきているのでこれでも寝てみてほしいんですがどうですか?

Aさん:あっ軽い。全然違いますね。

山田:羽毛ってやっぱりあったかいっていうことと、綿と同じの量でも軽いんですよね。寝返りしてみてください。

Aさん:軽いのとさらさらしていて動きやすいです。


山田:そうですよね。やっぱり軽いのも1つ大事だということ覚えておいてください。

今のお使いのもので特に枕使って問題がなければ全然大丈夫です。

また夏のタオルケットも体にまとわりついてしまうので、なるべく寝返りに問題のないものを選んでいただければと思います。



日中のお悩み

山田:では、計測は終了しまいて睡眠のお悩みもお伺いしましたが日中はいかがですか?

Aさん:そうですね、仕事で下を向くような姿勢が多かったり、スマホとかを見てる時間もあるので結構猫背になりがちかなと思います。

山田:なるほど、今日お首の症状を診させていただいて、やっぱり左の首筋がすごいお痛めになっていました。

枕をすることでかなり楽になると思うんですけれども、おっしゃったように日中どうするかっていう問題があって、そこで是非おすすめなのが私どものこの首枕なんですね。

まさにスマホをやるときとか、俯いてお仕事されるときにつけていただきたいものとなっています。

今回撮影にお邪魔させていただいたお礼にこちらをプレゼントしようと思います。

Aさん:ありがとうございます。

山田:付け方も説明したしますね。

触っていただくと薄い部分とちょっと分厚い部分とございます。

左が痛みがあるので、左側の耳の下に厚い部分を持ってきていただいて巻き始めます。

2回目をしっかりと顎の下に押し込むように巻きます。

最後はピタッとマジックテープで留められます。

これだと下を向いた時少し楽ではないですか?

Aさん:はい楽ですね。


山田:喉の圧迫感ないですか?

Aさん:ないですね。

山田:スマホするときや仕事中、台所に立つときなどもパッとつけていただいて、終わったら外していただいてもいいし冬場ですとマフラー変わりに使っていただくこともできます。

そして、猫背ですのでしっかり胸を張って良い姿勢を取ることも大事です。

頭の重さが4kgくらいあります。

これが7cm俯くとなんと20kgになっちゃうんですね。

それぐらい首に負担がかかりますので、首枕するだけではなく、首枕しながらもしっかり胸を張って良い姿勢を意識してみてください。

スマホ見るときにも少し上の位置で見て視線を落とさないようにするだけでも首の負担が変わると思います。

Aさん:分かりました。ぜひやってみます。

山田:今日は長い時間ありがとうございました。計測してみていかがでしたか?

Aさん:そうですね、枕がいかに大事かということがよくわかりました。

山田:ありがとうございます。

本当に私は30年近く枕のことばっかり研究してきたんですけど、肩こりとかいろんな悩みの方がいて明らかに枕が悪いって思って来られる方もいれば、全く気づかずに枕を使わなくてもいいと思ってる方もいるぐらいで。

肩幅ある人間は絶対に枕なしでは寝れないんですね。

動物ですらどこかに頭を乗っけて寝てるんです。

なので首の角度ってとても大事です。

それを枕で良い姿勢が取れて、夜寝ると朝までにリセットして疲労も取れるし血流もよくなるんです。

是非これから枕を使って良い姿勢で寝ていただければと思います。

Aさん:ありがとうございます。

山田:本日は本当にありがとうございました。



ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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    私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
    という患者様が沢山来院します。
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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


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