むちうちとは?症状や期間、治療法に枕の高さを合わせる必要性
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
むちうちとは何か?
皆さん、むちうち症という言葉を聞いたことがありますか?
または、私はむちうち症を経験しましたという方もいらっしゃるかもしれません。
「むちうち症」鞭を打つという言葉、これは交通事故で首、肩などに大きな衝撃、追突や後ろから追突や正面衝突などで首がガクーンとムチを打つような形になった時に、大事な首の中にある神経や血管、これらを圧迫したり衝撃を受けることによってそれらが傷んでしまう状態のことです。
医学的には正式な名前は頚椎捻挫や外傷性頚部症候群といいます。このような首に大きな外傷を受けたとき、首には様々な症状が出ます。
むちうちの症状や期間は?
もちろん首が痛い、肩が凝る、頭痛やめまい、吐き気が起こる、時には手に力が入らなくなったり、本当にひどい衝撃になると足の症状も出たりします。
これらの症状は一過性一時的なもので1カ月以内に治まればいいのですが、2ヶ月3ヶ月ひどいときには半年や1年間続いてしまう場合もあるんです。
むちうちは心身ともに辛い思いをすることもある
長期にわたれば患者様はとても辛い思いをします。さらには治療が長引くことによって心理的なストレスも大きくなり、心因性の要因も加わって心身ともに辛い思いをすることもあるんです。
こんなむちうち症いわゆる頚椎捻挫、これに対してなるべく早く治療を開始し、そして早くに寛解完全に良くすることが必要だと考えられています。
むちうちには、身体に合った枕が絶対に必要
次に、むちうち症の患者様には枕が必要かという質問に答えます。枕は絶対に必要です。
それも適切な枕、一人一人の体に適合した枕、出来れば医学的に検証された枕が良いでしょう。
むちうちに、なぜ身体に合った枕が有効なのか?
高さをきちっと調節して自分の体に合った枕を使うことによってなぜ体が回復し有効なのかというメカニズムについてお話したいと思います。
枕に頭が乗ってこの枕が体に合っていると、頭から首までが非常に安定します。
寝返りを打ったとしても首の中にある神経がグラグラするような悪い寝返りにはなりません。
上向き、横向き、動きとしての寝返り、この時にも神経が傷つかないように安定した状態で眠ることができます。
むちうちの方も、熟睡できると痛みが和らぐ
もう一つのメカニズムは体に合った枕を使うことで熟睡できるとぐっすり眠れると、痛みに対する感受性痛みの感じ方が和らぐんです。
ぐっすり眠ること=痛みに対する感じが軽くなると考えてください。
一方で、自分の体に全然合ってない例えばふかふかな枕や凹凸のウレタンでできたような枕を使ってしまうと、体に悪い影響が出てむちうち症をより悪くしてしまったり、治療が遅れたりするんです。
そのメカニズムは頚椎、首が柔らかい枕でグラグラなることによって首の中にある神経が一緒にぐらつくことで悪い刺激をたくさん受けてしまう。
それでなくてもむちうちで痛んでいる神経ですから安静を保たなければいけないのに、これが一晩中グラグラして刺激を受けていたら神経が回復する暇がありません。
また、合わない枕を使うとどうも熟睡できない。こんな体験は皆さんしたことがあると思いますが、事故の後首が辛い状態で不眠症になってしまうとそれだけで痛みに対する感受性が上がってしまう。
つまり、痛みを感じやすくなるんです。首が安定すること、そして眠りが深くなること、これが一日も早くむちうち症を解決するためには必要なんですね。
むちうちを治すには首の神経を回復し眠りを良くすることが必要
「首の姿勢」すなわち首の神経を良い状態ポジションにすることと、「眠りを良くする」こと。
この2つを適切な枕で行うことによって両方が良い状態になり好循環、むち打ち症が治っていくことができます。
しかし、もし首の姿勢が悪くなるような不適切な枕を使って、そして眠りも悪くなってしまったらこれは両方とも悪いので悪循環が起こるわけです。
痛みが出る、神経が傷んでしまって痛みが出ると眠りが悪くなる。眠りが悪くなって不眠になると痛み対する感受性が上がる。そして眠れないからグズグズ夜中に動いてしまったり何度も起きてしまう。また痛みを強く感じるようになる。
不眠が酷くなるこの悪循環の中でなかなかむちうち症が治らなくなってしまうんです。
ですので適切な首の姿勢をとること。また適切な深い眠りを得ること。この2つができることによってむちうち症を一日も早く改善して欲しいと思います。
そのために必要なのが、気持ちがいいなぁと思うから使ってしまう柔らかい枕ではなく、一人一人の体格に適した硬くて高さの合っている枕。
これを毎晩使うことが一日も早い回復につながると思っています。今晩から是非試してみてください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
一人一人の体格に適した硬くて高さの合っている枕を使うことが、一日も早い回復につながります。
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