うつぶせ寝って良いの?悪いの?枕はどうなる?
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回はYouTubeにこんな質問いただきました第5弾となります。
今回は「うつぶせ寝で寝る癖が昔からあるんですけど、枕はどうすればいいですか?」という質問です。
これについて回答していきたいと思います。
うつぶせ寝は整形外科的に悪い姿勢
整形外科医としてはうつぶせ寝はあまり推奨できないんです。
うつぶせ寝になる時にどんな格好になるかというと、大体腕を上げて首をひねってますよね。
どうしてもうつぶせ寝は首のひねりが入ります。
このひねりが整形外科的に首を痛めがちな悪い姿勢になってしまっているのです。
うつぶせで寝ると、朝気がついた時に寝違えて首が回らないっていうことはよく起こります。
首にかかる負担は大きいのであんまり推奨はできません。
特殊な状況下においてはうつぶせが良いこともある
精神安静
精神家のドクターが言うには、寝入りにうつぶせ寝になると安心感があって寝やすくなるっていうケースがあるそうなんです。
私も試してみたんですけが、ちょっと色々悩んじゃって眠れないなっていう時にうつぶせになってみるとスーっと眠りに入れそうでした。
ただ、枕は近くに置いといて途中で首が辛くなったら上向きになって枕をしていただくのがいいと思います。
肺の負担を減らす
上向きで寝ると重たい心臓が肺の上に乗っかってくるんですね。
心臓が肺を圧迫してしまうんです。
うつぶせ寝になると心臓が下になるので肺を圧迫しなくなります。
これ実は、コロナの時に症状が重症化していくと、ECMO(エクモ)という心臓や肺の代わりにポンプの役割をする機械を使う必要が出てくるんですが、そういった場合にエクモを使用する前に、うつぶせ寝をしてみて肺でちゃんと機能して呼吸が楽になるかということを一旦やってみようという試みがありました。
そのぐらいコロナっていう呼吸の苦しい状態においては、うつぶせ寝は役に立ったということが科学的にも検証されています。
ですので全部が悪いわけじゃないんですけど、皆さんが日頃寝る時にはやはり上向き・横向き・寝返りで寝てください。
そして特殊な事情の時には、うつ伏せをするというのがよろしいんではないでしょうか。
うつぶせ寝をするときの工夫
枕の調節
では、実際にうつぶせ寝をする場合に枕はどうすれば良いか。
例えば日頃80mmという高さの枕を使っている方が、その上にうつぶせになるのは首引っ張られて負担がかかってしまいますので不可能です。
ですので、枕を低くする必要があります。
枕を低くしても高い場合はタオル2~3枚にするとか、もしくはもう枕なしでうつぶせ寝になっていただくていう形で、枕の高さをかなり低くしなければいけないということを一つ覚えておいてください。
手のポジション
手を敷いてしまったり、体の下に巻き込んでしまうのはよくありません。
手は軽く体の横に出すように寝ていただくのがお楽かと思います。
うつぶせ寝をどうしてもしたい場合は、2つの工夫を是非試してみてください。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
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体格によって適合する高さが違います。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
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