コラム詳細

枕の寿命は何年?買い替えサインと合わない枕の5つのチェックポイントを整形外科医が解説

枕の寿命と買い替えサイン・チェックポイントを解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

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山田朱織が診察をしている様子

「枕の寿命はどれくらい?」「自分の枕、合っていないのかも…」——そのふたつの疑問に、診察室でお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。

  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えしております。

目次

この記事でわかること

  • 素材別の枕の寿命目安(わた1〜2年〜整形外科枕約6年)
  • 「枕が合っていない」と見極める5つのチェックポイント
  • 体格・姿勢の変化が買い替えのサインになる理由
  • 5mmの差が睡眠の質を変える理由
  • 買い替えを繰り返しても解決しない「枕難民」の出口

【素材別】一般的な枕の寿命と買い替えサイン

「枕の寿命はいつですか?」という質問をよくいただきます。枕の寿命は、使われている素材によって大きく異なります。まずは素材ごとの耐用年数を確認してみましょう。

素材 寿命の目安 買い替えのサイン
わた・羽毛 1〜2年 ボリュームがなくなり、高さが低くなった
低反発ウレタン 2〜3年 戻りが悪くなり、頭が沈み込みすぎる
パイプ・ストロー 3〜5年 粒が割れてカサが減った、音がうるさい
整形外科枕 約6年 体格の変化や素材のへたり(要メンテナンス)

このように、多くの枕は数年で寿命を迎えます。しかし最も重要なのは素材の寿命だけでなく、「今の自分の体に合っているか」という点です。

今の枕が合っていないか確認する5つのチェックポイント

皆さん、こんなお悩みはありませんか?

  • 朝起きたら枕が飛んでしまっていたり、手を敷いて寝たりして疲れている
  • 朝、首肩がこっていたり疲労感がある

なんとなく「枕が合っていないのではないか」とお悩みの方は非常に多いです。以下の5つをチェックしてみてください。当てはまる数が多いほど、買い替えや調節のタイミングが近づいています。

① 朝、目が覚めた時に枕が頭から離れている

朝に枕が飛んでいる場合は合っていないサイン

目が覚めた時にすでに枕がどこかへ飛んでしまっていたり、体が曲がって頭が落ちてしまっている——これは枕が合っていない可能性が非常に高いです。

合っていれば枕が多少ずれても、自然にそこへ乗っていこうとするものです。合わない枕はそのまま放置しても逆に楽に感じてしまうため、離れたままになってしまいます。

② 寝ている間、頭の下に手を入れている

手を頭の下に入れるのは枕の高さ不足のサイン

高さが足りず手の平の厚さで補おうとしているか、柔らかすぎる枕でグラつきを止めようとしている行動です。首の神経がグラグラしてしまうのを無意識に抑えようとしているサインです。

③ うつぶせになって寝ている

うつぶせ寝は枕の高さが低すぎるサイン

枕の高さが低すぎるときに起こりやすいです。横向きで下になった肩が圧迫されて辛くなり、さらに肩を後ろに引いてうつぶせ寝になってしまいます。そのままでは頸椎への負担が大きくなります。

④ 寝返りで目が覚める

何度も寝返りのたびに目が覚めることは、睡眠が分断されてしまいますので質の良い睡眠とは言えません。逆に、スムーズにコロコロと寝返りが打てて朝まで目が覚めないというのは、よく眠れているサインです。

⑤ 熟睡感がない

寝づらかったり、何度も目が覚めたり、うつぶせで苦しかったり——いろんなことで熟睡感は損なわれます。上記のポイントに多く当てはまる方は、枕の見直しを検討してください。

【動画比較】なぜ「高さ」と「フラット」が重要なの?

素材がへたってわずか5mm高さが変わるだけで、寝返りのしやすさは劇的に変わります。動画でその違いを確認してみましょう。

枕の高さによる寝返りの違い(比較)

【理想】適正な高さ

特徴:余計な力を入れずにコロコロと転がれる。首と体が一体となってスムーズに回転します。

【NG】5mm高い

特徴:わずか5mmの差で、腰や骨盤に力を入れないと動けなくなり、エネルギーを消費します。

体格や姿勢の変化も「枕の寿命」のサイン

体重の変化があれば枕の高さ調節が必要

山田:最近、体重が変動するなど体の変化はありますか?

モデル:去年と比べると体重が3キロぐらい増えたかなと思います。

山田:3キロ増えると、今まで使っていた枕がずれ始めたり、朝起きた時にどこかへ飛んでしまったりすることはありませんか?

モデル:確かに、最近は朝起きると枕が上にいっていることがあります。

体格の変化と枕のズレ

このように枕が体格に合わなくなると「ずれる」ということが起こります。これは枕を調節したり買い替えるべきタイミングが来たという合図です。

姿勢の変化があれば枕の高さ調節が必要

体格といっても体重だけではありません。背中が丸くなってきたり、体が硬くなったりといった変化も、枕の調節が必要なサインです。

姿勢の変化と枕の適合

素材のへたりだけでなく、自分の体の変化にも注意して、枕と合っているかを定期的にチェックしてください。

正しい枕の4つの条件

では、どんな枕がいいのか。枕に常に重要な条件は次の4つです。

① 体格に合った高さ

体格に合った枕の高さ

一人ひとりの体格に合った高さが最も重要です。長い研究の中で、上向きで寝た時の最適な首の角度は約15度。この角度になると神経がリラックスすることがわかっています。

② 高さをキープできる適度な硬さ

枕の適度な硬さ

頭の重さ4〜5kgが乗っても沈み込まないしっかりした硬さが必要です。柔らかすぎると正しい高さが維持できません。

③ 表面が平ら(フラット)であること

フラットな枕の形状

凹凸や中の素材が寄ってしまった状態ではなく、すべてがフラットな構造が最も寝返りを打ちやすいです。

④ 定期的に調節・メンテナンスができること

高さ・硬さ・フラットの3条件に問題が起きた時に、適宜調節できることが長く使い続けるための重要な条件です。

詳しく紹介

正しい枕の必要性|枕外来の整形外科医が解説

患者様の中には枕を50個買い替えた方もいる

山田:当院の患者様の例で言えば、枕を10個替えた人はざらです。中には最高でなんと50個枕を買い替えたという方もいらっしゃいます。

山田:買い替えをすることによってピタッと合った市販の枕に出会う可能性はとても少ないです。

枕難民の例

新しいものを調達しても合う確率は少ない。大切なのは、しっかり硬くて高さの整った枕をいったん作ったら、それを少しずつメンテナンスしながら使うこと。いつも自分の体の変化に合わせるという考え方でないと、枕難民から抜け出すことはできません。

枕は「生き物」。だから6年に1回のリニューアルが必要

整形外科枕は耐久性の良い素材を厳選しています。それでも2〜3年に1回はメンテナンス調節を、6年に1回は素材を全部取り替えてリニューアルすることをお願いしています。どうしても枕の素材は消耗品で限界があるからです。

整形外科枕のメンテナンス

私はよく「枕は生き物」と言いますが、生きている私たちと同じように枕も変化させていくことがとても大事です。買い替えか調節し直す——このことをいつも念頭において枕を使ってください。

よくある質問

Q. 枕の寿命は何年ですか?

A. 素材によって異なります。わた・羽毛は1〜2年、低反発ウレタンは2〜3年、パイプ・ストローは3〜5年が目安です。整形外科枕は約6年を目安に、2〜3年ごとのメンテナンス調節を推奨しています。

Q. 枕が合っていないサインは何ですか?

A. ①朝に枕が頭から離れている、②寝ている間に頭の下に手を入れている、③うつぶせで寝てしまっている、④寝返りで目が覚める、⑤熟睡感がない、の5つが主なサインです。当てはまる数が多いほど、枕の買い替えや調節のタイミングです。

Q. 枕はいつ買い替え・調節すればよいですか?

A. 素材のへたりだけでなく、体重が3kg以上変化した時、姿勢が変化した時も調節のサインです。整形外科枕は2〜3年に1回のメンテナンス、6年に1回の素材リニューアルが目安です。

Q. 正しい枕の条件は何ですか?

A. ①体格に合った高さ(首の角度約15度)、②高さをキープできる硬さ(4〜5kgで沈まない)、③表面がフラット、④定期的に調節・メンテナンスができること、の4つです。

Q. なぜ5mmの差が重要なのですか?

A. わずか5mm高さが変わるだけで寝返りのしやすさが劇的に変わります。高すぎると腰や骨盤に余計な力が必要になり、睡眠の質が低下します。素材がへたって5mm沈み込むだけでも同様の問題が生じるため、定期的な高さ確認が重要です。

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