コラム詳細

変形性股関節症とは?(臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼)

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

今回はちょっと難しいお話なんですが、股関節についてのお話です。

股関節は漢字の通り股の部分ですが、そこに起こる病気「変形性股関節症」についてお話していきたいと思います。

目次


歩くのが困難になることがある

変形性股関節症という病気の名前は聞いたことある方いるかと思います。

股関節が変形して形が悪くなってしまうと医学的には跛行(はこう)といって、足を引きずるように歩く状態になっってしまったりします。

歩きづらいという状況になるのが全てではないんですが、一部その中に変形性股関節症の方がいらっしゃるんです。

そして、その変形性股関節症は元々臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼という状態から将来的にこの病体になっていくというものなんですね。

私の16号整形外科でも毎日のように患者様を診ているんですが、その中でやっぱり一定量股関節悪い方っていうのがいらっしゃるわけですね。

股関節が痛いとか、歩くのが辛いとか、歩き方が悪いと家族に後ろから見て指摘されたとか、そういったことがあるわけです。

そして、変形性股関節症の方の一定量は夜寝ている時に股関節が痛くて寝返りができない、もしくは痛い側が下になると痛みで寝れないのでいつも反対向きで寝るなんてことがあって、睡眠中の時間に症状が出やすいということもあります。

もちろん体重がかかって歩く時こそが痛いんですが、意外と寝てるい時の痛みについては医療機関であまり指導されていない部分なんですね。

私たちは枕の専門ですので、どういう風に枕を整えれば楽に寝れるかっていうことも重要だと考えています。



変形性股関節症になるメカニズム

臼蓋形成不全とは?


臼蓋っていうのは大腿骨の頭にある蓋になっている部分です。

臼蓋に対して大腿骨の頭の部分がうまくはまっている状態が正常なのですが、母親のお腹の中にいる時に骨のつくりが悪く臼蓋が大腿骨に十分にかぶっていない状態になってしまうことを臼蓋形成不全といいます。

つまり本来だったら臼蓋が80~90%大腿骨にかぶっていなきゃいけないところが、半分の50~60%しかかぶっていない状態になってしまうのです。

臼蓋と大腿骨の間は関節という隙間がありますが、関節の水が入っていて潤っています。

しかし臼蓋形成不全が起こるとここに体重がかかるわけですので、段々と大腿骨の頭がずれてきて亜脱臼、もしくは脱臼してしまうわけですね。

大腿骨の頭が移動してちょっと外れかかった状態を亜脱臼、骨盤から完全に外れてしまった状態を脱臼といいます。


先天性股関節脱臼


股関節の脱臼が生まれつき起こってるのが先天性の股関節脱臼です。

それから中にはちょっと臼蓋が浅いために、生まれた後に徐々に外れていって脱臼してしまうっていうパターンもあるんですね。

先天性と後天性、両方とも関節の状態がどんどん適合が悪くなっていくのです。

どうなるかと言うと、関節の隙間が薄くなってゴリゴリ擦すれます。

そうなると骨がもちろん痛くなるんですが、臼蓋の足りない部分を作らなきゃということで後からなんと自分の力で屋根を形成していくんですね。


ちょっとトゲなんかもあったりガタガタしたりしますけど、これがうまくできれば脱臼しなくて済むだけどうまくできないと亜脱球したり脱臼したりっていうことが起こってくるわけです。

これは長い年月かけて徐々に起こります。

そして、骨が上がってくると屋根のところで押さえられてゴリゴリ音が鳴ったり痛みが出たり、足が全体的に上がってくるので短くなります。

それが跛行の原因になってしまうんです。

そうなった状態を変形性股関節症というわけです。


どんな人がなりやすい?

この病気は女性に多いんです。

そして、日本ではこの臼蓋形成不全が結構多いと言われていて、中高年の女性の変形性股関接症になる方の8割は実は臼蓋形成不全が原因で起こってると言われています。



変形性股関節症の治療

オムツの当て方

1970年代ぐらいっていうのはオムツの当て方が悪くてなってしまったというのもあって、オムツの当て方結構大事なんです。

昔は布だった時代もありますが、すごく締めつけて当てちゃうことで脱球しちゃうってことも起こっていました。

1970年代頃はなんと100人に1~3人ぐらいいたんですね。

今は技術が進んでオムツも良くなってますので数はどんどん減っていて、1000人に1~3人くらいということです。


装具治療

ベルトのようなリーメンビューゲルという装具を赤ちゃんにつけて、股関節が脱臼しないような位置に持っていくという装具治療もあります。


人口関節にする手術

関節がぐっと狭くなって痛みが出る、歩くのも辛くて跛行してしまうので長い距離歩けないというふうになってくると痛みをある程度取る為に痛み止めを飲むとかリハビリテーションをしたりします。

しかし、最終的には臼蓋の屋根がないことが問題ですから、屋根を作るような骨を切る手術が必要になります。

また、あまりにも変形が強くて非常に悪い状態になると、悪い部分を全て取ってしまって人口の関節に置換する手術というのも行います。


今回は股関節にまつわるとても辛い3つの病気がどうして起こってしまうのかっていうことを中心にお話してきました。

次回はこの股関節が悪い方にどういう風に枕を使っていただきたいかっていうことを説明しますのでよろしくお願いします。



ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


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