首が痛い…それ本当に整形外科の症状?医師が原因を解説!
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は"首のトラブル"というお話をしていきたいと思います。
整形外科の外来をやっていると、首が痛いという患者様は毎日たくさんいらっしゃいます。
目次
はじめに
一口に首といっても、骨・関節・神経だけでなく、筋肉や皮膚、リンパ、さらには心臓・肺・脳などの影響まで含め、広い意味で「首まわり」に症状が現れます。
整形外科で診断・治療できるものもあれば、他科疾患が背景にあるケースもあります。
早く解決するには、原因の切り分けが第一歩です。

首と呼ぶ範囲は人それぞれ
「この付近が痛い」と指される範囲は、後頭部の下から鎖骨、肩の上あたりまで人によって異なります。
痛みの場所が曖昧な場合は、圧痛点を確かめて本当の「痛みの源」を探る必要があります。

首の中で起きること:構造を知る
頚椎(骨)とその間の椎間板、後方を通る神経が基本構造です。
周囲には筋肉・脂肪・皮膚・リンパがあり、さらに下には心肺、上には脳・脳神経・血管があります。
これらのいずれが不調でも、首まわりに痛みやしびれ、張りとして現れ得ます。

原因を絞る「5つのキークエスチョン」
医師は次の5項目を必ず確認します。
1、いつから(急性か慢性か)
2、どこが(神経・筋肉・局所・広範囲)
3、どんな痛み(ジーン、鈍痛、ズキズキ、ビリビリ、刺すようなど)
4、何で悪化する(動作、安静、時間帯、飲食など)
5、全身状態と合併症(がん、リウマチ、精神的要因 等)
これで整形外科の病気か、他科の病気かを見立てます。

科別にみる主な原因の例
【整形外科】肩こり、頚肩腕症候群、頚椎椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、関節リウマチなど
【脳神経】脳梗塞、脳腫瘍、髄膜炎、多発性硬化症など
【耳鼻】扁桃炎、耳下腺炎、顎下腺炎など
【呼吸器】肺尖部腫瘍(パンコースト)、結核性リンパ節炎など
【心療】身体表現性障害、線維筋痛症など
【歯・口腔】顎関節症、う歯など
※ここに挙げたのは一例です。疑わしい所見があれば、適切な診療科へ紹介します。

いつ・どこを受診する?
しびれや力が入りにくい、歩きづらい、痛みで夜眠れないなどは早めの整形外科受診をご検討ください。
手のしびれが強い場合は「手の外科」など専門外来が近道になることもあります。
適切なタイミングを逃すと障害が残ることがあるため、我慢は禁物です。

生活と寝具でできる基本ケア
うつむき姿勢や長時間の前傾は首へ負担をかけます。
本やPCは目線が落ちすぎない位置(およそ10度前後の軽い下向き)に調整し、椅子には深く腰掛け背もたれを使い、腰から首までを一直線に保つよう心掛けましょう。
睡眠中の首姿勢も大切です。
適切な高さ・硬さ・フラットさの枕で上向き・横向きいずれも首肩の圧迫を避けることで、腕のしびれや肩の圧迫感の予防が期待できます。
改善がない場合は、首の病気が潜んでいることがあるため整形外科へ。
山田朱織枕研究所では、体格に合わせた計測に基づく「整形外科枕」を提供し、睡眠姿勢による症状改善をめざしています。

まとめ
「首が痛い」は原因が多岐にわたります。
5つの質問で手がかりを集め、整形外科で評価しつつ必要に応じて他科へ。
日中の姿勢と夜間の首姿勢(枕)を整えることも、痛みの軽減と再発防止の基本です。
つらい症状が続く場合は、早めの相談を検討してください。

ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
「枕外来のオーダー枕」
私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
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という患者様が沢山来院します。
好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
体格によって適合する高さが違います。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼