コラム詳細

花粉症と睡眠の関係性

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

今回は花粉症と睡眠の関係という、非常に悩んでいる方の多いお話をしていきたいと思います。

春は楽しいこといっぱいあります。

希望に満ち溢れた春ですが、大敵はアレルギーですよね。

目次


日本ではアレルギー疾患がある人はかなり多い

全国でアレルギーを持ってる人がどのぐらいの数いると思いますか?

平成28年に行った全国的な調査によれば、人口の1/2の人がなんとアレルギーを持っているということがわかりました。

海外の人と比べてもアレルギーを持っている方が非常に多いかなと思います。

これは日本の国民的な体質なのか、杉やブタクサが多いなどの環境的要素なのか整形外科の立場からは言及できませんが、とにかくアレルギーの方が多いということは整形外科で診療してる中でも非常に感じるところです。



アレルギー性鼻炎が睡眠の質を悪くしている

平成28年に出た筑波大学の田宮教授という女性の教授の方の研究からお話していていきたいと思うんですが、アレルギー性鼻炎を持っている人の中で病院に通っている方と通っていない方を比較して、睡眠の質と心理的なストレスについて比較研究をされていました。

なんとアレルギー性鼻炎の80%以上の人が睡眠が不十分だと感じているそうです。

また70.5%の人は日中に眠気を感じているということでした。

すごい高い数値が出ています。

年間通してご飯の後とかに眠くなったりすることはありますけど、それにしてもやっぱりアレルギーあると眠気が強いっていうのはよく実感することです。

ということでなんと20歳から79歳全ての年齢において、睡眠の質が低下し心理的ストレスを感じてるっていうことがアレルギー性鼻炎の方にあるとこが分かったんです。


経済的にも影響

経済的によるとすごいこと分かったんですけども、アレルギーのせいでくしゃみが出たり眠気が強かったりして集中力がなくなります。

仕事のパフォーマンスが上がらず労働生産性が落ちて、結果的に経済損失がなんと年間で4兆円以上の日本の生産性を落としているという結果が出たんです。

これは放ってはおけない問題です。



睡眠に悪影響を及ぼすメカニズム


アレルギー性鼻炎が睡眠にとって具体的にどういった影響を及ぼすのかというところを説明していきます。

まずくしゃみが出て鼻水が出るけど鼻が詰まりますよね。

鼻詰まりが起こると鼻では息がしにくいので口呼吸になってしまいます

そして、口呼吸になると喉が乾きます。せき込んだりして喉の症状も出てきます。

さらにはいびきが出てきてしまうんですね。

ここまで来ると本格的に睡眠の質が下がっている状態です。

また、くしゃみ鼻水がでることによって夜中に何度も中途覚醒してしまいます。

本当だったら寝てから朝起きるまで1度も起きなくて済んでいたのが、夜中に何回も何回も目が覚めて睡眠が分断されてしまうことでも睡眠の質が落ちてしまうんです。



アレルギー性鼻炎対策

1、寝る前にぬるめのシャワー


もちろん帰宅してすぐもシャワーを浴びて欲しいんですけど、寝る前にぬるめのシャワーを浴びることでまたさらに体にくっついてる花粉をしっかりと落としてから寝て欲しいんです。


2、鼻うがい(鼻洗い)


鼻うがいはとても有効です。

鼻が痛くなりそうと思う方もいるかもしれませんが、慣れるとやらずにはいられないぐらいスッキリします。

喉のうがいをする時やシャワーしている時に鼻から水を吸って出す。

これだけで特別何にも使う必要はありません。

やはり鼻の奥は喉に繋がってますから、鼻から入ったアレルギー物質が喉にもいってしまうのでそれを鼻で取り除くということでとても有効です。


3、空気正浄機と加湿器


最近ではHEPAフィルター付き空気洗浄機をよく見かけるようになりました。

HEPAフィルターとは何かっていうと、高性能微粒子除去フィルターなんですね。

要は花粉とか埃りとかウイルスとかすごく微粒なものも全部排除してくれるという高性能のフィルターなんですね。

そして、加湿器がなぜいいかというとウイルスにしても花粉にしても軽いんですね。

加湿器でお水をたいて水の粒子とくっ付くとそれらが落ちるんです。

下に行くので花粉などを吸い込まなくて済むわけです。

ただ床はちゃんと掃除しないといけません。


4、リラックス

当たり前のようですけど、カフェインを摂らない、アルコールを飲まない、スマホやパソコンを寝る前にやらないというリラックスも大事です。

しかし、こういったものを全部排除すると逆にストレスになってしまう人もいますから適度にお願いします。


5、規則正しい生活


くしゃみが出たり鼻が詰まって寝れなかったりすると、日中変な時間に寝てしまって昼寝を長くやっちゃったりしてまた夜の睡眠が悪くなるっていう悪循環になってしまいます。

なのでしっかりと体内時計を整えて睡眠のリズムを整えて、規則正しい生活を心がけるということはとても大事です。

最近の研究では、寝る時間を同じにするよりも朝起きる時間を同じにすることが大事だと言ってる研究者の方もいます。



枕の効果は?


枕は別に鼻に入るわけじゃないから鼻に直接効くわけじゃないです。

だけど枕でしっかりと良い睡眠が取れることで、結果的に睡眠の質を上げて夜中に中途覚醒しなくなったりするわけです。

深い睡眠が取れると、人間の免疫能力は上がるんです。

不眠の原因は様々ありますが、やはりまずは睡眠のベースのインフラである枕を整えることは大事だと思っています。

枕を整え良い睡眠を取りぐっすり休んでアレルギーに対して対抗する免疫能力をつけましょう。



ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


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