NHK「あさイチ」出演!筋膜のコリと寝返りの関係を整形外科医山田朱織が解説
目次
首や肩のコリ、実は「筋膜」の問題かもしれません
「肩こりがひどい」「首が重い」「頭痛やめまいまで出てつらい」。
そんなお悩みを抱えていても、原因がはっきり分からず不安に感じている方は少なくありません。
NHK「あさイチ」でも取り上げられたテーマが、こうした不調と関係の深い「筋膜(きんまく)」です。
首こりや肩こりの背景に、この筋膜のコリがあること、そして日中と夜、それぞれの時間帯に行うケアの大切さを解説した内容でした。
本コラムでは、その内容を分かりやすくかみ砕きながら、寝返りと枕の役割についてもお伝えします。

筋膜とは?シールのように全身を包む組織
筋膜は、筋肉のまわりを覆っている薄い膜状の組織です。
英語では「Fascia(ファッシア)」と呼ばれ、皮膚のすぐ下から筋肉の外側まで、全身に張り巡らされています。
イメージとしては、筋肉を「硬いシール」のようにクルンと包んで支えている存在です。
この筋膜があることで、私たちの体は外からの衝撃をうまく受け止め、姿勢を保つことができます。
ところが、同じ姿勢を長時間続けたり、寒さやストレスなどが重なったりすると、筋膜はだんだんと縮こまり、硬くなってしまいます。
その結果、首こり・肩こり、頭痛、めまいなど、さまざまな不調として現れると考えられています。

日中のケア:動かして、温めて、筋膜をほぐす
筋膜のコリをほぐすために、日中にできることの基本は「動かす」ことです。
・肩や首をゆっくり回す
・軽いストレッチをこまめに行う
・同じ姿勢を続けないよう、定期的に立ち上がる
こうしたシンプルな体操でも、凝り固まった筋膜を少しずつほぐすことができます。
さらに、筋膜ケアには「温める」ことも有効です。
あたたかいお風呂に入って血流を良くしたり、必要に応じてカイロなどで首や肩まわりを温めたりすることで、硬くなった筋膜がゆるみやすくなります。
「日中は、よく動き・よく温めて筋膜をほぐす」。これが、最初の一歩です。

夜のケア:寝返りで筋膜をリセットする
では、夜寝ているあいだはどうでしょうか。
せっかく日中に体操やストレッチで筋膜をほぐしても、不適切な枕や寝具で、ほとんど寝返りを打たずに一晩中同じ姿勢で眠ってしまうと、朝にはまたガチガチに固まってしまいます。
本来、寝ている間に行われる「寝返り」は、筋膜にとっての“セルフマッサージ”のような役割をもっています。
体の向きを変えることで、同じ場所にかかる負担を分散し、血流を保ち、筋肉や筋膜をリセットしているのです。

寝返りを邪魔しない枕とは?
寝返りをしやすくするためには、「枕の高さを整える」ことが欠かせません。
高すぎる枕は首を折り曲げたような姿勢になり、低すぎる枕は首が反り返った姿勢になってしまいます。
そのどちらも首の筋肉や筋膜に負担をかけ、寝返りが打ちづらくなる原因になります。
山田朱織枕研究所では、枕の高さを一人ひとりの体格に合わせてミリ単位で調整し、首・肩のこりが約7割の方で改善したという研究データも出ています。
また、体に合った枕の条件として、
・適切な高さ
・必要な硬さがあること
・頭をのせる面が平らであること
・高さを調整・メンテナンスできること
といったポイントがあります。
これらを満たす枕であれば、寝返りがスムーズになりやすく、寝ているあいだの首姿勢が安定し、筋膜への負担を減らすことが期待できます。

山田朱織枕研究所で行っている取り組み
山田朱織枕研究所では、対面での枕計測を通じて、一人ひとりの首の状態や体格に合わせたオーダーメイドの「整形外科枕」を提供しています。
さらに、枕だけでなく、寝返りしやすいマットレスやかけふとんなど、睡眠中の姿勢をトータルで支える寝具も開発しています。
これらはすべて、「寝返りしやすい環境を整えること」が共通のコンセプトです。
このような取り組みを通じて、首こり・肩こり・腰痛など、筋膜や姿勢に関わる症状の改善を目指しています。

まとめ:今日からできる小さな一歩
筋膜は、全身をシールのように包んで支えている大切な組織です。
この筋膜が硬くなると、首こり・肩こり・頭痛・めまいなど、つらい症状として現れてしまいます。
対策のポイントは、
・日中は「動かす」「温める」で筋膜をほぐす
・夜は「寝返りしやすい枕と寝具」で筋膜をリセットする
という二本立てのケアです。
「首が痛くて眠れない」「朝起きると肩がこっている」という方は、まずはご自身の枕の高さや硬さを見直してみてください。

ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でも話しています▼

