掛け布団の正しい選び方と使い方|寝返りを妨げない整形外科かけふとん
16号整形外科院長であり 山田朱織枕研究所 代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを、できるだけそのままお伝えします。
掛け布団に“寝返りのしやすさ”が必要な理由
通気性・保温性・軽さなど大切な条件は多くありますが、もう一つとても重要なのが「いかに寝返りがしやすいか」です。夜間は一晩で20〜30回の寝返りを打ちます。寝返りがスムーズにできると体温調節がうまく働き、熟睡に繋がります。
整形外科かけふとんの構造と特徴(羽毛配分/縫い目設計)
山田朱織枕研究所の「整形外科かけふとん」は、寝返りのしやすさを最優先に設計した羽毛配分が特長です。
- 最上段・中央縦列・最下段(ローマ字の「I」)に、その他マス目の約2倍量の羽毛を配分。
- 中央は支え、脇は軽くして体にまとわりつかず、寝返り時の動きやすさを確保。
- 上下とも顔に縫い目が当たらない縫製。どの向きでも快適。
良い掛け布団の3つの条件と使い方のポイント
- 軽い:重いと寝返りが阻害され、肩・首へ負担。
- まとわりつかない:摩擦抵抗の少ない素材・構造。
- 保温性に優れる:1枚で暖かく体温調節を助ける。
使い方のポイントは「枕の高さを整える」「掛け布団は1枚で使う」「カバーをかけない」。毛布が必要なら掛け布団の上に。
掛け布団カバーを付けない理由(衛生・通気・運用)
カバーを付けると生地が体にまとわりつきやすく、重量も増えて寝返りを妨げます。通気も低下します。整形外科かけふとんはカバー無しで使う前提の縫製です。
衛生面は「洗えること」で解決します。整形外科かけふとんは400g/1000gの両タイプとも自宅の洗濯機で洗えます。難しい場合はコインランドリーの大型機や専門店を。
買い替えの目安・傷みチェック・メンテナンス
一般的には約10年が一つの目安ですが、メンテナンス次第で長持ちします。次の3点がサインです。
- 10年以上使用している
- 側生地の傷みや破れで羽毛が出てくる
- 全体のボリューム低下で暖かくないと感じる
メンテナンスは「丸洗い」と「リフォーム/リフレッシュ」。丸洗いは汚れを落とし、リフォームは側生地交換+洗浄+補充で復元を目指します。
羽毛ふとんチェック 5項目
- 過去3年、丸洗いをしていない
- ニオイが気になる
- 汚れが気になる
- かさ高(ボリューム)が減った
- 生地の傷み・ほつれがある
→ 1〜3項目なら「丸洗い」推奨。
→ 4〜5項目なら「リフォーム(リフレッシュ)」を検討。
ご自宅での洗濯方法(手順/コツ/洗濯前後の比較)
1) 畳んで洗濯ネットに入れる
2) 洗濯機で洗う(縦型7kg以上推奨)
- 先に水を溜めてから布団を入れる(浮くので手で沈める)。
- 「掛け布団コース」があればそれで。なければ標準でOK。
3) 洗濯前後の比較
汗を吸った布団はぺたんとしますが、洗うとふっくら戻ります。季節の変わり目に洗う習慣がおすすめです。
梅雨や季節の変わり目の選び方(400/1000の使い分け)
夏:25〜28℃・湿度50〜60%、冬:18〜25℃・湿度40〜50%が目安ですが、梅雨は湿度が70〜80%に達することもあり、体温調節が難しくなります。通気がよく軽い掛け物が快適です。
- 400:軽くて通気良好。梅雨〜夏に最適。明け方も十分に暖かい。
- 1000:保温性重視。冬に最適。梅雨は暑く感じやすい。
すぐに梅雨用を用意できない場合は、夏用+冬用を手元に置いて臨機応変に重ねる方法も有効です。
よくある質問
カバーを付けないと汚れませんか?
毛布はどこに掛ければいい?
買い替えの目安は?
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