お昼寝の時、座って寝るときはどんな寝方がいいの?
16号整形外科院長であり 山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを、できるだけそのままお伝えします。
先に結論(最短1分で要点):
- 仮眠・昼寝は15〜20分が目安。長すぎると逆効果のことも。
- 首の姿勢が最重要。腕を枕にして神経を圧迫しないこと。
- デスクでは本+タオルで胸の前の高さに「デスク用枕」を作る。
- 乗り物での仮眠は首枕で横揺れを抑えて安全に。
首にやさしいお昼寝とは?
- 「昼寝の時の枕はどうすればいいの?」
- 「どんな寝方がいいの?」
- 「どんな姿勢で仮眠したらいいの?」
昼寝や仮眠は疲労回復に有効です。適切な時間は15〜20分。ただし、首の姿勢が悪いと逆効果になります。デスクでも電車でも「首を安定」させる前提で仮眠をとりましょう。
高さを合わせたデスク用手作り枕
椅子に座って少し前かがみでも首が落ちない高さを作ります。身長・座高・椅子の高さに応じて調整し、胸の前あたりの高さに本を重ねてタオルをのせます。
手を前で軽く組み、本を抱えるように。顎やおでこではなく、左右どちらかの頬をタオルに当てます。
低い・硬いと感じたらタオルを三つ折りで厚く。楽だと感じる首カーブを優先します。
横になって昼寝できる環境なら、体に合った正しい枕を使ってください。
休憩の最後に座ったまま体操をすると、仕事に戻る準備が整います。
仮眠に潜む危険性をご紹介します
ある日、腕を枕にして眠ってしまい、目覚めたら右手がだらんと下がって持ち上がらない——。頭の重みで橈骨神経を圧迫し後骨間神経麻痺・橈骨神経麻痺を起こすことがあります。日常生活に大きな支障を来し、回復までに数ヶ月を要することも。
腕の上で寝る、新婚旅行で相手の頭を腕の下に入れたまま眠る等、腕の圧迫が誘因になります。仮眠は必ず道具(本・タオル・首枕)を使って首を安定させましょう。
電車などで座ったまま寝るときは首枕がおすすめ
乗り物の仮眠で首が「ガクン」となる方は、首枕で側方支持を作ると安定します。
耳の後ろから2周ほど巻いて固定。横揺れや落ち込みを抑えます。
まとめ
- 仮眠・昼寝は15〜20分が目安
- 腕を枕にするなど神経を圧迫する姿勢はNG
- 本+タオルで胸の前の高さにデスク用枕を作る
- 乗り物では首枕で首を安定
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長・医学博士/㈱山田朱織枕研究所 代表。治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っています。
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