掛け布団の使い方・買い替えのタイミングやメンテナンスを解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
掛け布団の買い替え時期やメンテナンス
今回は掛け布団の正しい使い方、取り扱い方法と買い替えのタイミングについてお話したいと思います。
山田:今日は何か質問があると伺いました。どんなことに悩んでいますか?
モデル:敷き布団はへたってきて買い換えようかなーって思うんですけど、掛ふとんはどうしたらいいんですか?
掛け布団の買い替えのタイミング
掛け布団についてはどうしても傷んだという感覚、これがどんな条件で起こるかっていうのが分かりづらいですよね。
敷き布団であれば何か腰が沈んできたとか、体に合わないなーっていう不具合や腰痛が出たり、こんなことで「あっ敷布団買い替えてみなきゃ」っていうふうに分かるかもしれないんですけど、
なかなか掛け布団の場合にはそのようなはっきりした目安がないことが問題ではないかと思っています。
山田:実際に今使っている布団、どんな素材で何年ぐらい使ってますか?
モデル:羽毛の布団なんですけど、親からもらったものなんで20年ぐらい使っていますね。
山田:20年間同じ羽毛布団、それもお母様やお父様からもらったものを引き継いでずっと使っているということですね。
実は掛け布団については結構このようなお話を伺うことは少なくないんです。
実際にはかけ布団についてはメーカーに問い合わせてみると、約10年くらいで買い替えるという言葉が平均的には回答されております。
実際に10年以上経つとこの外側の側地というのが傷んできて中の羽毛が飛び出してきてしまう、もしくは汗をたくさん吸うことで羽毛のふんわり感がなくなって質が劣化してしまうので約10年間ぐらいが一つのめどだと言われています。
でも実際にしっかりとメンテナンスしながら上手く使っていただくと、良質な掛け布団であればなんと30年間もつともいわれているんですね。
ですので今日はこの掛けふとんのメンテナンスについてもお話をしたいと思います。
掛け布団の傷み・へたりのチェック方法
モデル:先生、掛け布団は何が基準に掛け布団が傷んできた、くたびれてきたと判断すれば良いでしょうか?
山田:いい質問です。ではこれに回答しますね。
掛け布団が傷んできた、段々にくたびれてきたと判断するには3つの基準があります。
①10年以上使用しているかどうか
②側生地が薄くなったりこすれたり切れたりして中の羽毛が(部分的にも)飛び出していないか
③全体のかさが減ってきてぺっちゃんこになってなんか最近布団かけてても暖かくないなあと感じるようになった。
これらは買い替え、メンテナンスの時期だと考えてください。3つです。
10年以上使用、中身の羽毛が飛び出している、あったかくなくなってきた、ここが注意点です。
山田:わかっていただけましたか?
モデル:よくわかりました。その三つの基準があればわかりやすいですね。
掛け布団のメンテナンス方法
長年使ってお布団を買い換える前にどのようにメンテナンスできるかという方法は大きく分けて2つあります。
布団のクリーニングと布団のリフレッシュもしくはリフォームという言い方をします。
簡単に言うとクリーニングは汚れた羽毛を洗ってきれいな状態に戻すこと。
リフォームやリフレッシュというのは傷んでしまった側地を外して中の羽毛を洗浄し、さらに足りない部分を追加してあげて元通りの掛け布団に戻す。
これをリフレッシュもしくはリフォームと呼んでいます。
それをやるタイミングについてはこちらのチェックをしてみていただきたいと思います。
羽毛布団のチェック 5つの項目
羽毛ふとんチェック5つのポイント
1.過去3年間ふとん丸洗いをしていない
2.臭いが少し気になる
3.汚れがきになる
4.羽毛のかさ高さ(ボリューム)が減ってきた
5.生地の痛みやほつれがある
→1個以上、3個以下当てはまる場合は、「ふとん丸洗い」をお勧めします。
→4個以上、当てはまる場合は、「羽毛ふとんリフォーム(リフレッシュ)」をお勧めします。
いくつご自分に当てはまるか数えてみてください。
過去3年間布団の丸洗いをしていない。ニオイが気になる。汚れが気になる。羽毛のかさ(ボリューム)が減ってきた。
生地が傷んでしまってほつれてきている。
もし、該当するものが3つ以上あれば布団の丸洗い。
4つ以上あれば布団のリフォームをぜひ検討してみていただけると良いかと思います。
掛け布団も寝返りに影響するんですか?
枕や敷布団のみならず、この掛け布団というのも寝返りに大きく影響してしまう要素なんです。だからこそ注意が必要なんですね。
あなたの使っている掛け布団が寝返りに悪いかどうかをチェックする方法が5つあります。
まずこの掛け布団、この中身が羽毛かどうか。重たい綿などではないかどうかですね。
それから布団が体に纏わりついていないか。構造上、形、大きさ、いろいろなことで纏わりつかないかどうかこれも重要なポイントです。
そして、2枚3枚と重ねて掛けてないか。なるべく1枚で掛けるようにしてください。
重たい布団でないかどうか。これも重要なポイントです。重たいとあったかいと思うかもしれないけど、重たいと寝返りが打ちにくいんです。
最後のポイントは掛け布団にカバーをかけていないかどうか。これも重要なポイントです。
山田:どうですか?何か当てはまるものはありますか?
モデル:カバーはかけてますね。
山田:それは汚れないためですか?
モデル:やはり衛生面が気になるのでカバーをかけちゃいます。
この場合はできれば丸洗いできる掛け布団を準備していただいて、汚れが気になったら適宜洗っていただく。その代わり寝返りがしにくくなる体に纏わりつくカバーは絶対にかけないでいただきたいと思います。
掛布団も寝返りのしやすさが大事
掛け布団の条件は、軽いこと、1枚でかけること、羽毛素材が一番ベストですよ、そして体に纏わりつかないようにカバーをかけないで寝ていただくこと、そのためにも丸洗いが出来る方が良いかと思います。
掛け布団の条件わかっていただけましたか。
枕のみならず、敷物そして掛け布団全部を揃えることで体にやさしい寝る環境が作れますので是非試してみてください。
寝返りのための枕の条件などは以下のコラムで詳しくご説明しています。
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本コラムの内容は動画でもお話しています▼
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