ブルーライトはスマホを見るだけでも影響がある?

ブルーライトはスマホを見るだけでも影響がある?

毎日何時間もスマートフォンの画面を見つめる現代人にとって、ブルーライトの健康への影響は避けて通れない問題となっています。仕事ではパソコンを使用、休憩時間にはスマホでSNSをチェック、夜は動画視聴を楽しむ多くの方が、目の疲れや睡眠の質低下を実感しているのではないでしょうか。

スマートフォンから発せられるブルーライトは、わずかな使用時間でも体内時計に影響を与え、眼精疲労や睡眠障害の原因となる可能性があります。特に就寝前の使用は、メラトニンの分泌を抑制し、良質な睡眠を妨げてしまうのです。

当記事では、ブルーライトが人体に与える具体的な影響から、効果的な対策方法まで詳しく解説します。デジタル機器使用時の距離設定、時間帯別の使用制限、室内照明の最適化による負担軽減法など、今日から実践できる具体的な方法をまとめました。

スマホの使用によるブルーライトが気になっている方はぜひ参考にしてください。

目次

スマホのブルーライトが目や体に与える影響

スマホのブルーライトが目や体に与える影響

スマートフォン使用によるブルーライトの曝露は、約20年前と比較して、LED普及により健康に様々な影響を与えています。研究によると、スマートフォン使用によるブルーライトが、酸化ストレスに影響を及ぼす可能性があるという結果も示されています。

参考:スマートフォンのブルーライトが及ぼす身体への影響

ブルーライトは青色光で、強いエネルギーを持つ光です。角膜や水晶体では吸収されず網膜まで到達するため、紫外線の次に波長が短い高エネルギー可視光線です。

他にも睡眠や翌日の作業効率に関する影響も言われており、これはブルーライトが体内時計を乱すためと考えられています。

参考:睡眠障害を有さない若年男性における就寝前の光照射による起床後の主観的睡眠感、注意力および作業効率の変化

目の疲れや視力低下への悪影響

ブルーライトによる目への影響で最も一般的なのが眼精疲労です。短波長(380~500nm)のブルーライトの光が瞳孔を縮める作用があるため起こると言われています。

ブルーライトの波長による目への影響
  • 角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達
  • 赤色光よりエネルギーが高いため視細胞を傷つける可能性
  • 網膜へ酸化ストレスを引き起こすリスク

瞳孔を縮める作用と波長が短くエネルギーが大きい特性によって像のちらつきやぼやけを生み、まぶしさを感じます。毛様体筋が過度にピント調整を強いられ、目を疲労させてしまうとされているのです。

さらにブルーライトの画面を凝視するとまばたきの回数が減り、目の表面が乾燥します。角膜が乾燥すると涙が減少してしまうので、外部からの刺激を目が直接受け、かすみや充血しやすさも引き起こします。

ブルーライトが直接視力を低下させるかどうかはいまだ明確な研究結果が出ていません。しかし、視力低下の根本には網膜への負担があります

現時点ではブルーライトの人間の網膜への直接の害は未確定とされているものの、最終的に視力に影響したり加齢黄斑変性という疾患につながったりするおそれがあるとされています。

睡眠の質が下がる体内時計への影響

夜間にブルーライトを浴びると、脳は昼間だと錯覚してメラトニン分泌を抑制すると言われています。メラトニンは睡眠を促すホルモンですが、分泌が抑制されると体内時計が乱れて眠りの質などに悪影響を及ぼす可能性も。

大学生が就寝前に電子機器の使用を制限した場合に、睡眠感や自律神経系活動に好ましい影響を及ぼす可能性があるという測定結果が出ています。

参考:大学生における就寝前の電子機器使用制限が起床時睡眠感および自律神経系活動に及ぼす影響

良い睡眠のためには、光環境に注意を払う必要があります。特に下記の3点に配慮しましょう。

  1. 明るさ(照度)
  2. 波長(ブルーライト)
  3. 時間帯

就寝前にはできるだけブルーライトを含む明るい光を避けることが大切です。特にスマートフォンは、近距離で直視するため光の影響が大きいと考えられていますので、気をつけましょう。

参考:良い睡眠の概要(案)|厚生労働省

頭痛や肩こりなど身体症状との関係

ブルーライトによる筋緊張性頭痛や肩こりは、自律神経を乱し眼精疲労や筋肉の緊張を引き起こす可能性があるといわれています。自律神経の乱れは血行不良も招くとされ、筋肉に酸素や栄養が行き届きにくくなるおそれがあります。

目の疲労は全身症状に及ぶケースもあり、頭痛や肩こり以外にも倦怠感やめまいなどを訴える方もいます。単独ではなく複合的に症状が現れ、日常生活に大きな影響が出ることも。

眼精疲労により自律神経バランスが崩れ、交感神経から副交感神経への切り替えができず、昼夜問わず筋肉緊張状態が継続しやすくなるのです。血行障害による症状は通常の鎮痛剤が効きにくく、根本的な対処が重要とされています。

スマートフォン画面から放出される量の実測データ

スマートフォンからのブルーライト放出量は、機種や画面設定で大きく異なります。住総研の研究では、様々な光源の光エネルギーやブルーライト成分が実測されました。

各種光源のブルーライト成分
(光エネルギーの単位はいずれもmW/㎡)

全光量ブルーライトの量
スマホ画面(距離0㎝)769150
スマホ画面(距離15㎝)46397
太陽光(夕陽)10218
太陽光(窓越し、曇天)62868
太陽光(窓越し、晴天)81477
パソコン画面(距離50㎝)7316
※距離は原典表記に準拠。ブルーライト成分測定機能付き眼鏡型照度計を使用して計測

実測データでは、全光量は窓越しの太陽光よりもスマホ画面のほうが少ないにもかかわらず、ブルーライト量ははるかに多いという結果が出ました。

参考:住宅照明中のブルーライトが体内時計と睡眠覚醒に与える影響

曝露量は距離の影響も大きく受けます。テレビ視聴は通常なら1m以上離れるため影響が小さい一方、スマホ(約20cm)やパソコン(40〜50cm)は至近距離で使用するため負担が大きくなります。

スマホの使用時のブルーライトカット方法

スマホの使用時のブルーライトカット方法

最も手軽なブルーライト対策は、スマートフォンに標準搭載されている機能の活用です。費用もかかりませんしすぐに設定できます。

ブルーライトをカットする設定は段階的に調整でき、色温度を暖かくすればするほど赤みや黄みが強くなりブルーライトカット量が増えます。ただし暖かくしすぎると画面の赤みが強くなるため調整しましょう。

またブルーライトカットメガネやフィルムを使用してブルーライトをカットする方法もおすすめです。

iPhone標準機能「Night Shift」の使い方

Night Shiftの詳細設定
  1. 設定アプリを開く
  2. 画面表示と明るさ
  3. 「Night Shift」機能を調整

「Night Shift」機能は、毎日自分が設定した決まった時刻に自動的にオン・オフにさせることができるほか、”日の入り”から”日の出”まで自動的に「Night Shift」機能をオンにすることも可能です。

色温度はスライダーで調節でき、「暖かく」と「冷たく」でブルーライトの軽減度合いを決められます。写真や動画で違和感のない範囲で設定しましょう。

Android端末でのブルーライト軽減モード設定

Android端末のブルーライト軽減は標準機能とメーカー独自機能に分かれます。

Android標準の「夜間モード」設定
  1. 設定アプリを開く
  2. 「ディスプレイ」または「画面」をタップ
  3. 「夜間モード」「ブルーライトカットモード」などをタップ
  4. 時間指定や色温度を調整

機種によって、夜間モードやブルーライトカットモード以外に、リラックスビューやブルーライト削減など名称が異なります。

ホーム画面から下へスワイプすることで出現する「ウィジェット」から、ブルーライトフィルターのON/OFFの設定ができる機種もあります。

ブルーライトカットメガネのカット率と時間帯別の調整コツ

時間帯別の最適カット率設定

使用場所使用目安時間カット率
明るいオフィスなど短時間25%
明るいオフィスなど長時間40%
暗い部屋など短~長時間60%

PC作業を行う場合も同様のカット率のメガネを選ぶとよいでしょう。読書やテキスト作業では30~40%、動画視聴では40~50%など作業内容によって変更してもよいでしょう。ゲームなど長時間の集中作業にはカット率50~60%が推奨されています。

注意したいのは日中にもブルーライトカットメガネをかけ続けると、体内時計が狂ってしまう可能性がある点です。スマホやパソコンの作業時間と合わせて、メガネを使用するタイミングも考慮しましょう。

度なしと度付きどっちのメガネを選ぶ?

ブルーライトカットメガネの度なしメガネと度付きメガネのどちらを選ぶかは、普段にメガネをかけているか、視力矯正を必要としているかによって決めましょう。

普段コンタクトをしている場合には、度なしタイプでよいでしょう。近視や遠視があるなら、度ありのブルーライトカットメガネを使用します。

いずれにしても作業する時間の長さや時間帯、部屋の明るさを考慮してメガネを選んでください。

仕事中と就寝前で使い分ける方法も

オフィスでのブルーライトカットメガネ着用には、透明に近いレンズを選んだほうが見た目の印象を自然に保てます。日中の明るいオフィス環境では、ブルーライトカット率25%程度の低カット率メガネが適しています。

就寝前には使い分けるほうがよく、60%カットのもので睡眠の質をアップさせたほうが快適です。オフィス用と自宅用で使い分けましょう。

ブルーライトカットフィルムの選び方と効果

ブルーライトカットフィルム選び方のポイント
  1. カット率
  2. ガラスフィルムか保護フィルムか
  3. 表面加工

ブルーライトカットフィルムは、まずカット率で選びましょう。カット率が高いほどもちろん目には優しく、目の疲れを軽減できますが、画面が黄色っぽくなってしまいます。画面の鮮明さ重視なら、あまり高いカット率ではないフィルムを選んでください。

透明度と強度ならガラスフィルム、薄さと貼りやすさなら保護フィルムがおすすめです。スマホの角割れが気になる場合には全面保護フィルム、落下に備えて飛散防止加工が施されたものなども快適に使えます。

また表面加工では、光沢(グレア)タイプなら画面が明るく見えますので、動画や写真がクリアなほうが良い方に適しています。非光沢(ノングレア)タイプは、画面がやや白っぽく見えるものの、目が疲れやすいと感じる方には向いています。

ブルーライトカットアプリの機能と使い方

スマートフォンアプリは、スマホ画面からのブルーライトを軽減し目の疲れを和らげます。睡眠の質を向上させる目的で使用します。

アプリではフィルターの強度の調整、自動化、夜間モードなどの機能が提供されているものが多いです。

アプリは実用性が肝心ですから、動作の軽さと電池消費への影響、フィルター強度の調整幅を重視して選びましょう。アプリとハードウェアでの対策を併用しましょう。

自動調整機能付きおすすめアプリ(iPhone・Android)

【iPhone】視力保護ブラウザ~ブルーライトカットで視力回復

22万ダウンロードを突破したブルーライトを強力にカットする人気アプリで、目をしっかり保護してくれます。明るさも調整しやすく、使用する時間帯を問いません。

まぶしさやチラつきを感じることなく、目を疲れさせないアプリです。ブラウザアプリのため、ホーム画面や他のアプリ表示時には使えませんのでご注意ください。

【iPhone】ブルーライトカット

夜間のブラウジングや眼精疲労を軽減してくれるアプリです。使いやすい設計で、あらゆる年代の方がスムーズに操作できるようになっています。

夜勤の方、睡眠の質が気になる方におすすめ。基本のフィルターは無料で使用できます。

【Android】Twilight

日没後スマートフォンの画面にフィルターをかけて目を守ります。現在いる地域の日の出と日の入りのタイミングに合わせてフィルターの強度を調整します。

フィルターの適用時間は自分で設定も可能です。また適用除外アプリを指定できますので、様々なアプリでもそれぞれフィルターを使いやすく調整できるので便利です。

【Android】ブルーライト軽減フィルター ~ ブルーライトはアプリで対策

周囲の明るさに応じてブルーライトカット量を自動調整できるアプリです。自然な色のブルーライトフィルターで、ブラウザ上の細かな文字もはっきりと読めます。

7色のフィルターから好きな色を選んで明るさを調整できます。また電子書籍での読書に最適なスクリーンフィルターも選べます。

【Android】ブルーライト軽減 – 目の保護 不眠を解消

画面を自然な色に調整できるスクリーンフィルターでブルーライトを軽減します。フィルターの明るさは簡単に調整できるので、柔らかな光でスマホを使えます。

夜の読書も快適にできるナイトモードがあり、節電タイプですので長時間の使用にも最適です。

アプリとハードウェア対策の併用効果

ブルーライトカットメガネとフィルム、アプリは併用で効果を高められます。しかし単純に効果がプラスされるのではなく、カット率の飽和や波長による違いに注意が必要です。

組み合わせて使うと、単独使用よりもブルーライトの影響を抑えられますが、実際の効果と各製品等でのカット率が異なる場合もあります。

日中に過度にブルーライトをカットしてしまうと、体内時計が乱れる可能性もあります。フィルムは一旦貼るとそのまま使用することになりますが、日常生活、仕事、体調などを考慮してアプリを使う、メガネを組み合わせるなどしましょう。

スマホ利用時のブルーライト対策習慣

スマートフォン使用時のブルーライト対策は、機器だけに頼らない習慣も大切です。

日本眼科医会では、子どものための目の健康啓発として30分に1回は20秒以上デジタル端末から目を離すように勧めています。子どもに限らず大人にも有効な方法で、目を守るために意識的に習慣にしていきたいものです。

参考:公益社団法人 日本眼科医会「ギガっこデジたん!活用マニュアル」

参考として、アメリカでは米国眼科学会議が「20-20-20ルール」を推奨しています。20分間画面を見たら20秒間、6メートル(20フィート)離れたところを見るというルールです。

習慣化するコツは、タイマー設定がおすすめです。また自宅であれば家族で注意するようにし、連続してスマホを使用していたら声を掛け合うようにするのもよいでしょう。

画面との適切な距離と角度の保ち方

スマホを使っていると見にくく感じたり、目がゴロゴロしたりしたことはありませんか。適切な距離と角度を意識しておかないと、いわゆる疲れ目となってしまいます。

スマホを見る際の基本姿勢は、「30cm離して見下ろす」です。画面が小さいのでついつい近づけてしまいますし、目の高さと同じくらいにスマホを持ち上げてしまいがちです。

顔全体を下げずに目を薄く開けて見下ろす感じが正しい見方です。リラックスした状態で画面を見るように意識しておき、連続使用時間は60分から90分までにしましょう。60分から90分ごとに10分程度の休憩を挟みます。

就寝2時間前からの使用制限テクニック

就寝前1~2時間はスマホの使用をやめようと思っても、自分でストップするのは簡単ではありません。具体的な方法としてiPhoneなら「スクリーンタイム」で休止時間を設定、Androidでは「デジタルウェルビーイング」で自動制限してしまいましょう。

どのようにスマホを使わなくするかの手順は、21時以降は画面輝度を50%以下に調整し、22時からは必要最低限のアプリのみ、就寝2時間前には完全オフへ移行する段階を踏むようにするとストップしやすいです。

スマホを使わない代わりにアロマの香りを楽しむ、塗り絵や日記、読書や音楽などリラックスして入眠しやすくなる活動を取り入れましょう。

ブルーライトの健康被害を防ぐ生活改善法

ブルーライトによる健康被害は、栄養摂取・環境整備・生活リズム改善の3つで予防しましょう。

デジタルデバイスの使用が避けられない現代では、ブルーライトをカットするだけでなく、様々な対策を組み合わせるようにしたほうが目の健康を守れます。

スマホの使用時間が気になっている方は、改善方法を試してみてください。

目に良い栄養素ルテインとゼアキサンチンの摂取

ルテインとゼアキサンチンはカロテノイドと呼ばれる色素の一種で抗酸化作用を持つ物質です。網膜の黄斑部に存在し、ブルーライトなどの有害光線から目を保護する栄養素です。

ルテインはケールやモロヘイヤなど緑色の濃い葉物野菜に多く含まれています。ゼアキサンチンはパプリカ、パパイヤ、柿などの橙色の野菜や果物、卵の黄身に含まれている栄養素です。

ルテインは1日6~10mg、ゼアキサンチンは2mg程度の摂取が望ましいとされています。

参考:ルテインとその機能性
Lutein and Zeaxanthin and Their Roles in Age-Related Macular Degeneration—Neurodegenerative Disease

ルテインやゼアキサンチンは普段の食事では補いにくく、体内で作ることができません。食事とサプリなどを上手に組み合わせるとよいでしょう。

室内照明の色温度調整による負担軽減

LED照明は色温度の調整できるものにすると、自分で設定して負担を軽減しやすくなります。リモコンやアプリで調整できるものなら、時間帯などによって変更できます。

シーン色温度(ケルビン/K)
夜間の作業時電球色より赤みのある色
(ろうそくの光のような暖色)
1800K
リラックスしたい時電球色
(オレンジがかった温かい光)
2700K~3000K
作業や集中したい時昼白色~昼光色
(白い光色~青みがかった爽やかな光)
5000K~6500K

青みのある高色温度の環境下では、覚醒度が向上し作業効率もアップするという研究結果もあります。上手に光の環境を整えて、負担を軽減しながら集中力を高められるように色温度に配慮しましょう。

参考:色温度が注意の持続に及ぼす影響

デジタルデトックスの実践方法

デジタルデトックスは、いきなりデバイス断ちをするのではなく、段階的に無理なく行いましょう。まずはスクリーンタイムでどれくらいスマホを使用しているか確認します。

週末から始める段階的制限法として、短時間でよいので家ではスマホを半径2メートル以内に置かないなどルールを設けましょう。メール・SNSのチェックを朝・昼・晩の3回に制限、外出時は必要時以外使わないといった方法も効果的です。

事前準備として、通知をオフにし、デジタルデバイスを使わない時間の代替に何を行うか計画しておくと手持ち無沙汰になりません。

おすすめの代替活動として、読書、散歩、瞑想、ストレッチ、アウトドア活動や趣味などがあります。デジタル機器を使わないアクティビティを選び、自然豊かな環境で過ごすとリフレッシュ効果が高まります。

ストレス軽減の時間として、人との対話や家族や友人と食事の機会としてもよいでしょう。

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