コラム詳細

頚椎椎間板ヘルニアと診断されたスタッフMさんのその後1年経ってどうなった?

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

今回は、山田先生の診察を受けて頚椎椎間板ヘルニアと診断されたスタッフMさんがその後どうなっているのか。

1年後の診察の様子をお届けします。

目次


姿勢に気を付けて症状が改善


山田:だいぶあれからお日にち経ちましたね。1年以上経ったんですけれども、右の肩甲骨の痛みやしびれはいかがですか?

Mさん:今は気にならなくなりました。

山田:良くなったようですね。いつ頃から良くなってる感じしましたか?

Mさん:そうですね、割とすぐ1~2ヶ月ぐらいで気になってないなと思いました。

山田:1~2ヶ月で改善したということですね。前にお話ししたのが枕の高さ調節をして寝てる時の首の姿勢を良くすること。あと日中適宜首枕使っていただいて首への負担を軽減すること。そして日中は胸を張って背中が丸くなったり顎が突き出たりということのないように良い姿勢を取ってくださいっていう3点お話たの守ってくださいましたか?

Mさん:はい。それをしっかりやってみました。枕調節して、あと敷物もしきふとんの柔らかい面で寝ていたのを硬い面に変えて寝てみて、そしたら朝肩甲骨のしびれがなくなってきました

山田:今は何か気になる残ってる症状とかはないですか?

Mさん:そうですね。そんな気にならないです。

山田:枕の調節をして敷物も硬くしたということですが、日中の姿勢はどういう風に気をつけていましたか?

Mさん:日中も首枕使ったり、あと腰枕も使ったりして姿勢を真っすぐにさせるように意識していました

あとパソコン打つ時にどうしても前かがみになってしまうので、パソコン台を買って目線を落とさないようにしていました

山田:そういったパソコン台も工夫して俯かないように姿勢を気をつけていたんですね。いいと思います。

それだけ常に姿勢に気をつけていただくことで、特別薬を飲んだり注射をしたりとかせずに済んで、非常に体にも優しいやり方で改善されたと思います。

じゃあ、自覚症状としてはお伺いした感じで良くなってるので、これからまた触診していきたいと思います。

前回、首の傾けると右の肩甲骨に響いたりして右側半身の症状が出ていて実は腕の方まで障害があったのが、今回どうなってるか診てみたいと思います。



触診

山田:では1年経過の変化を確認していきたいと思います。まず首上向きますね。


山田:お首の動きが良くなってますね。次下向きです。首痛くないですか?

Mさん:痛みはないです。


山田:では斜めにします。こうした時に肩甲骨や腕の方にビビっと響くような障害はですか?

Mさん:はい。響かないです。


山田:真上を向いても肩甲骨には響きませんか?

Mさん:大丈夫です。

山田:念のため左側はどうか。左の肩甲骨や腕には響かないですか?

Mさん:左は全然大丈夫です。

山田:良さそうですね。ではちょっと痛みの場所を押して診ていきます。首触ります。押すと痛いですか?


Mさん:若干痛いかなというくらいです。

山田:若干ですね。こちらは?

Mさん:こっちは全然大丈夫です。

山田:痛くないですね。前回最も痛かったこの辺どうですか?


Mさん:あっ痛くないですね。

山田:結構強く押してますけど、痛くないですね。

では左側も押して診ます。いかがですか?

Mさん:左も問特に痛みはないです。

山田:左右差はないですか?

Mさん:若干右の方が痛いですかね。

山田:これはどうですか?

Mさん:同じです。

山田:いいじゃないですか。ここ1番辛かったところですので、本当によく改善してると思います。

では、念のため手も診ていきます。ぐーっと力を入れてください。


山田:はい、大丈夫です。感覚左右同じですか?

Mさん:同じぐらいです。

山田:持ってる物を落っことしたりはないですか?

Mさん:そういうことはないです。

山田:握力測ってみましょう。4本で握ってグっと力入れてください。


山田:右28、左29ですね。じゃちょっと腕押してみますよ。痛みどうですか?

Mさん:ちょっとだけあります。

山田:肘のところ叩きます。これは響きますか?

Mさん:響かないです。

山田:反対の腕はどうですか?

Mさん:反対も響かないです。

山田:いいですね。前回は首から来る神経の通り道が結構ビリビリと響いてたところも改善していますし、1番腕の痛かった場所も前ほど痛みは強くなくなってますね。

何しろ肩甲骨の内側のしびれが1番辛かった主訴と言ってメインの症状ですが、それが良くなっているのですごくいいと思います

それで首の動きがすごく良くなっていて、前回30°だったのが今回40°まで上向き向けるんですね。

下向きは20°だったのが30°向けるということで、首の可動域が良くなってます

これは首の痛みが取れるとよく見られる患者様の症状の経過です。

このぐらいよくなっていれば生活上は支障はないかなと思うんですがいかがですか?

Mさん:はい。特に問題は感じたことはないです。

山田:前回感じていた自覚症状と客観的に見た多角所見って言うんですがそれも良くなっていて、首の動きもいいし痛みもなくなってきているのでよろしいかと思います。



レントゲンの比較

山田:では今回のレントゲンと前回のレントゲンを比較してみたいと思います。

前回、肩甲骨が痛いってことで肩甲骨を撮りましたが肩甲骨自体には異常がないですよとお話をしました。

原因は首からの神経に問題があり、首の7つの骨の最後の6番7番のところで右側にヘルニアがあったので右の背中がしびれるということが起こっていました。

今回のレントゲンを見てみると、まず正面から見た時ちょっと右に傾いてます。


でも、前回のだともっとひどかったんですが、この首の曲がりがかなり良くなって戻ってきています

今度は横から見たところですが、前は何もしないで普通にしていてもに首が前に出て湾曲があったんですね。


首の骨の並びが後ろに反ることを後弯と言います。

その悪い姿勢が取れてきて、ほぼほぼ真っすぐな状態になっています。

元々悪かった6番と7番、2番3番の間に関しては1年ちょっとでは大きな変化が見られません。

悪くはなってないですが、しかしもちろん変化が良くなることは難しいですね。

お辞儀をした時と後ろに反った時を見ていきます。

これは前に説明しましたが、お辞儀をするとどうしても悪いところから首が前に倒れてくる。


後ろに反るとその同じ場所から首が後ろに反ってくる。

いつも6番と7番で首がグラグラグラグラしてますよってお話をしました。

じゃあ今回症状がほぼなくなった状態でどうなってるかというと、やはり前にお辞儀すれば6番7番からグラつく、後ろに反っても同じところからグラつきはあるわけです。

画像上は悪いところはあまり変わってないんですが、要は姿勢を気をつけることで症状は出なくなったと考えてください。

斜めから見ても、神経1本1本が出てくる大切な穴の大きさ全然変わりません。悪くもなっておりません。


時間と共に変形が強くなることも多いですが、全く中身は変わらない状態です。

まとめると普通にしてる自然状態の正面向き、そして横向きは姿勢が改善。

前後にお辞儀したり反った時はどうしてもグラつきはありますがその中身が悪くなって進行しているということは全く見られないと考えていただければといった感じですね。

とてもいい結果が出てると思います。

2番3番は以前お話した融合している状態ですね。

前にお辞儀したり後ろに反ったり、どうしても少し不安定な状態っていうのは6番7番の椎間板にはあると。

そして、ここから大事な神経の枝が出ていて、この神経の根元が椎間板のヘルニアによって圧迫されたことで障害が出ていた。

首から出た神経が背中の内側に来るわけですね。

肩甲骨が痛いしびれると言ってた7番、もう1つ下8番神経の場所が障害が出ていた。

だけど姿勢を改善することで今回症状が取れたということですね。

どうですか?肩甲骨の痛みしびれ、肩甲骨が悪いと思って肩甲骨のレントゲン撮りましたけど何もなかったですよね。

Mさん:はい。やっぱり首が良くなかったんだなって今回よく分かりましたね。

山田:やっぱり背中が痛い、肩甲骨が痛いという主訴・症状でいらっしゃる患者様とっても多いです。

でも原因の大半が首であるので、首をよくすることが何より大事だということが今回よくわかりましたね。

是非この情報を多くの方に知っいただいて、いつまでも背中が痛い肩甲骨が痛いと言って悩まずに、お薬など使わなくても良い姿勢で良くなっていただきたいと思います。



良い状態を維持する為には姿勢に気を付ける

Mさん:この良い姿勢を続けていれば、もっと良い姿勢に戻っていくんですかね?

山田:これはですね、少し骨の形が変形してきてるんですよ。

形がちょっと悪くなってしまうと元には戻ることはできないんです。

だから最も綺麗な状態に戻るであるとか、どんどん中身が改善していくってことは難しいです。

この変形した形をこれ以上悪くしないってことが何より大事なので、骨の棘がどんどん伸びていったり弯曲強くなったり椎間板が潰れてくっついてしまうなどという進行が少しでも起こらないように予防することが大事です。

でも症状は良くなりますよ。

今回、本当に良くなって、良くなった状態をずっと維持することもできます

Mさん:やっぱり姿勢がまた悪くしてしまったら元の悪い状態にぶり返すみたいな感じになるんですか?

山田:そうです。ですので、良い姿勢のことを忘れてしまって、または不良姿勢を取ったり、枕がだんだんへたって潰れてしまってということが起こると、条件が悪化すれば症状は戻ってしまいます

だから常に姿勢のことは忘れないでください。

Mさん:はい、わかりました。これからもいい姿勢に気をつけていきたいと思います。

山田:是非お願いします。お大事なさってください。



ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


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