2018.07.13 研究情報

日本睡眠学会第43回定期学術集会|睡眠時無呼吸症候群に対する枕による睡眠姿勢調節の試み

2018年7月13日に札幌コンベンションセンターにて行われました日本睡眠学会第43回定期学術集会において山田朱織医師が「睡眠時無呼吸症候群に対する枕による睡眠姿勢調節の試み」として発表いたしました。

日時 : 2018年7月13日(金)
場所 : 札幌コンベンションセンター(北海道)
発表者 : 山田朱織
演題名 :「睡眠時無呼吸症候群に対する枕による睡眠姿勢調節の試み」

抄録
睡眠時無呼吸症候群に対する枕による睡眠姿勢調節の試み
16号整形外科 山田朱織
重症-中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療としてCPAP治療が有効であるのは一般的である。しかしいびき・無呼吸を主訴に当院に来院する患者は「CPAPの必要性はわかるが、装着感が不快で外す」「CPAP以外の治療はないか」と訴える傾向にある。そこでCPAP治療以外の治療として、当院では整形外科の視点から睡眠姿勢に着目し、頸椎のアライメントを枕の高さで調節し無呼吸改善の有効性を検討した。当院で開発した整形外科枕とその調節方法SSS法を含め、同意が得られた2つのパイロット研究結果を発表したい。
1)2003.11.~2004.2.にPSG検査を施行した8例(男性5例、女性3例、平均年齢41.2歳)において、1晩の睡眠の前半は枕なし、後半に整形外科枕を使用して検査を行った。各体位における睡眠時間および仰臥位におけるAHIを観察した。結果は、8例中6例(75%)において仰臥位睡眠時間が延長、平均仰臥位時間は枕なしで81.2分、整形外科枕で164.4分であった(p=0.013)。また8例中5例(62.5%)が仰臥位におけるAHIが減少した(p=0.12)。
2)2004.11.~2005.10. にPSG検査を施行した19例(男性17例、女性2例、平均年齢43.1歳)において、1晩の睡眠の前半は病院枕、後半に整形外科枕を使用して検査を行った。AHI、最低SaO2、睡眠Stageを観察した。結果は、AHIは40.5±25.8→31.6±21.5(p=0.044)と有意に低下した。最低SaO2は変化なかった(p=0.85)。睡眠Stageは、stage1が47.1±23.8→32.4±17.3(p<0.001)と有意に減少、stage3+4が0.8±1.3→0.2±0.7(p<0.01)で有意に減少し、stage REMが7.0±6.4→25.7±7.9(p<0.0001)と有意に増加した。
本研究では枕調節法を用いれば仰臥位でも無呼吸が起こりにくい傾向が考えられた。また整形外科枕はAHI、睡眠Stage1の改善により、SASにもある程度の効果が得られると考えられた。今後は、SASの原因別・重症度別に整形外科枕の有用性を検討し、更なる適応を見極めていきたい。

発表はシンポジウム形式が取られました。
「Beyond CPAP Therapy CPAP以外の治療方法を再考する!」
2018年7月13日(金)15:00~16:30/G会場(204会議室)
■ オーガナイザー:吉村 力 (福岡大学医学部衛生・公衆衛生学講座/福岡大学病院呼吸器内科)
趣旨
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療として、重症ー中等症の患者に対してCPAP治療が有効であるのは誰もが納得するところである。しかしながら、CPAP治療以外の治療としてマウスピース、耳鼻科的手術、減量、体位療法、ナステントなどの治療の有効性もはっきりしてきており、どのような方にCPAP治療以外の治療が役立つのかを考えたい。本シンポジウム開催により、皆さんとテーラーメイド治療として、各治療の有効性、安全性などを考えたい。

■ 座長:安藤 眞一 (九州大学病院 睡眠時無呼吸センター)
吉村 力 (福岡大学医学部衛生・公衆衛生学講座/福岡大学病院呼吸器内科)

S27-1「OSASにおいてOral Applianceはどこまで効くのか?」
■ 演者:梅本 丈二 (福岡大学病院歯科口腔外科)

S27-2「OSASにおいて耳鼻科手術はどこまで有効か?」
■ 演者:北村 拓朗 (産業医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

S27-3「OSASの適切な減量方法は如何にすべきか?」
■ 演者:吉村 力 (福岡大学医学部 衛生・公衆衛生学講座/福岡大学病院 呼吸器内科)

S27-4「体位療法はどこまで効くのか?枕、テニスボールなどを使用した研究を解析する」
■ 演者:後平 泰信 (医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院循環器内科/
国家公務員共済組合連合会虎の門病院睡眠呼吸器科)

S27-5「睡眠時無呼吸症候群に対する枕による睡眠姿勢調節の試み」
■ 演者:山田 朱織 (16号整形外科)

S27-6「Nasopharyngeal Airway Stent (NAS)の有効性を探る!」
■ 演者:佐藤 誠 (筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)

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